「女性が多いから」と紹介された会社に運命の姉妹が…

――仕事先の関係者から「女性が多い」「双子の姉妹がいる」と紹介された会社に、美智子さんと喜久子さんが勤めていたわけですよね。なにか取引があったのですか。

忠義 直接ではなく、商社を通じてですけどね。

孝晴 その商社の人を通して、紹介を頼んで。

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忠義 会社が大きいから間違いなく女性も多いだろうということで、名簿を調べてもらったら、「双子の姉妹がいますよ」と。

美智子 その頃は個人情報がどうとか、そういうのは関係ない時代だったから(笑)。教えてもらえたし、教えちゃっていたんです。

――美智子さんと喜久子さんのご出身は?

美智子 岐阜県の揖斐川町というところです。私たちも小学校からクラスも服装も一緒で、ずっと離れたことがありませんでした。高校を卒業して就職する時、ちょうど就職難で。

喜久子 そうそう。

美智子 大阪の本社に母親の兄弟のおじがいて、「仕事がなかったら入れてやるから」と言ってくれて。家から通える範囲で、電車で1時間ちょっとくらいの通勤時間だったので、おじが「そこへ行ったらいいじゃないか」と。それで2人とも同じ会社に就職して、私は資材課、喜久子は組合事務所に。

左から姉の深見美智子さん(77)、妹の深見喜久子さん(77)

姉妹の勤務先では2人の見分けがつかず混乱が頻発

――会社では、他の社員は混乱していましたか。

喜久子 してた、してた。いっぱいしてました(笑)。

美智子 私は資材課にいたから、外部の業者さんがたくさん来るんです。文房具のような細かいものから織機のような大きなものまで、色々な資材を扱っていたし。で、業者さんが私のところで用事を済ませて、その次に注文を取りに組合事務所の喜久ちゃんのところへ行くことがけっこうあったんです。

 組合事務所に行くのには、一度表門を出て回らなければいけないんだけど、そこに喜久ちゃんがいると、「ここからここまで僕は車で来たのに、なんでそんなに早く資材課から組合の事務所まで来られるの?!」って混乱してるの。とにかく不思議だったみたいで、「フェンスを乗り越えてきたの?!」とか言われました(笑)。

――えらく足の速い女性がいると思われた。

美智子 そうそう。「なんで、もうここに到着できるの?」って。