高橋 でもヤマトやガンダム、さらには『銀河鉄道999』が大ヒットして、東映動画がもっと純度の高いオリジナルを作ろうとした時に『地球へ…』を選んだ。劇場版を今観直すと非常に格調が高く、それ以前の『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968)の頃のように、東映動画が全力を挙げて「映画」を作ろうとした感じがします。

竹宮 はい。やっぱり演出が恩地(日出夫)監督で、声も俳優の方々がやっていただいたこともあって、すごく重厚な感じがしましたね。

 劇場版アニメ『地球へ…』の主な声の出演者は、井上純一、沖雅也、秋吉久美子、志垣太郎らだった。

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竹宮氏(右)

高橋 劇場版はラストシーンや設定を大きく変えていました。ジョミーとトォニィの関係も、原作では赤の他人ですが、劇場版では親子になっていました。あのあたりの変更は相談があったのでしょうか。

竹宮 それはもう、映画って尺が長くないわけで、その中に全てを収めることができるんですかと最初から疑問だったくらいで、いろいろ説明するのに必要な改変だったと思ってます。

『地球へ…』

高橋 先生としては「構いませんよ」という感じだったんですか?

竹宮 はい。やっぱり自分のストーリーの流れを重要視すると、どうしても映画としてのまとまりはうまくできないなと思ったので、そこに口を出す気はありませんでした。やっぱり、アニメ専門じゃないもんですから。

高橋 劇場版のラストは恩地監督とかなりお話しされたんですか?

竹宮 はい。当時はまだ連載が完結していませんでしたので、私がラストはこんな感じの終わり方になりますみたいなお話をしました。恩地監督はキャラクターを理解したいとおっしゃっていて、「キースが一番理解できる」と。それで、なんとなくキースが中心な感じになったかなと思っています。

『地球へ…』

『地球へ…』(テレビアニメ版)
原作:竹宮惠子/監督:ヤマサキオサム/脚本:西園悟、堺三保、根元歳三、出渕裕、大野木寛、佐藤大、森田繁ほか/キャラクターデザイン:結城信輝/コンセプトデザイン:出渕裕/©竹宮惠子/毎日放送・スカパーウェルシンク・アニプレックス・電通

次の記事に続く 漫画家・竹宮惠子が語った『地球(テラ)へ…』テレビアニメ版の「分かりやすさ」と「少年」というモチーフ