現代社会と『地球へ…』のメッセージ

高橋 この作品のテーマを一言で言えば「人と人は分かり合えるのか」ということだと思います。70年代に描かれた物語ですが、今、世界が激動している時に観返すと、また違う響きがあります。

竹宮 そうですね。希望というものを持った、可能性のある少年たちがどうやって生きていくのか、既定の路線を跳ね返して、どうやって自由に生きるのか。なかなか窮屈な世の中ではあるけれど、『地球へ…』を読んで、何かの希望を感じてほしいというふうに願っています。

高橋 「少年たちの存在自体が希望だ」ということですね。

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竹宮 はい、そうです。それは今も昔も変わらないと私は思ってます。

登壇した竹宮氏(右)

高橋 劇場版、テレビ版と来て、もし仮に三度目のアニメ化があるとしたら、先生はどんなものを期待されますか?

竹宮 いやいや、専門でもないしそんなこと考えられませんよ(笑)。だけどアニメの力っていうのはすごくよく分かっています。全世界を駆け巡ることができるし、その「分かりやすさ」を作ることができる。もしそんなチャンスがあるんだったら……もちろん、私は描く苦労をしなくていいので(笑)、ぜひよろしく、って思います。

ヤマサキオサム監督の登壇と制作秘話

高橋 先ほどヤマサキ監督がいらしているというお話がありましたが。ヤマサキ監督、もしよろしければ前へ。拍手でお迎えください。(ヤマサキ監督、登壇)

ヤマサキオサム監督(以下、ヤマサキ) えー、監督をやらせてもらいましたヤマサキです。いや、久しぶりに自分の作品を大きな画面で見て……。制作側としてはやり残したことがいっぱいあって、心苦しい気持ちで。最終回はいろいろ先生にも助けていただいて、当時の制作の状況を思い出して涙が出ました。

『地球へ…』

竹宮 大変そうだなと思っていたんです、テレビ版の制作って。

ヤマサキ 絵コンテが上がってから「これで大丈夫でしょうか」とお尋ねすると、先生が「大丈夫だから、勇気を持ってやってください」って励ましてくださいました。何度も当日納品みたいなギリギリのところでやっていて、行き詰まると先生に、プロデューサー経由だったり直接だったりしながら、ご相談していました。

竹宮 お疲れ様でした。でも大きな画面で拝見できて、今日のお客さんもお得だったと思います。