キリスト教の重心はすでに欧米の外へ

 2010年の世界総人口69億人の中で、キリスト教信者は21億8000万人と32%を占める。キリスト教は世界的な宗教とされるものの、欧米など伝統的なキリスト教世界は衰退に向かい、一方、発展途上国における信徒数は急増している。世界で現在キリスト教が教勢を伸ばしているエリアは、アフリカ諸国、ラテンアメリカ、東南アジアである。

 1900年の段階では、世界のキリスト教徒の半数49.9%がヨーロッパに住んでいた。次いで北米が14・1%であった。100年後の2000年になると、ヨーロッパのキリスト教徒は21%、5人に1人と激減している。欧米に住んでいるキリスト教徒は3分の1に過ぎず、残りの3分の2は欧米以外の地域に住んでいる。

写真はイメージ ©︎Paylessimages/イメージマート

 ことにキリスト教が急速に拡大しているのがアフリカ諸国である。もともとキリスト教の起源は西アジアにあったが、現在同地方での信徒は住民のわずか4%に過ぎない。アフリカ住民による固有のキリスト教運動の結果、サハラ砂漠以南では、1910年の10人に1人から、今日では10人の内6人がキリスト教徒である。

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 教派別に見ると、約半数はカトリック。広い意味でのプロテスタントは37%、正教会12%、その他モルモン教会やエホバの証人など1%となっている。ナイジェリアのキリスト教徒は8000万人で、宗教改革が始まったドイツよりプロテスタントが多い状況である(クリスチャン トゥデイ「キリスト教は今やアフリカの宗教に」2011年12月27日より)。

カトリック教会は「沈みつつある船」

 ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世は2003年、ヨーロッパのカトリック教会の状況を「沈黙の背教(silent apostasy)」と表現した(ヨハネ・パウロ二世の使徒的勧告ECCLESIA INEUROPE)。2005年、ベネディクト十六世は信仰教義聖省長官であったとき、カトリック教会を「沈みつつある船」にたとえた(『ベネディクト16世 黙想と祈りによる十字架の道行』女子パウロ会、2006年)。さらにまた、2009年全世界の司教たちへの手紙の中で、「地上の広大な地域で、信仰がもはや燃え尽きてしまう炎のように消え去ってしまう虞(おそれ)がある現代」と表現している。

 欧米一辺倒であった日本のキリスト教も、そろそろ「沈みつつある船」から下船し、メイド・イン・ジャパンのキリスト教船に乗り換える時かもしれない。現代社会ではすでに意味をなくしてしまった舶来主義から一刻もはやく脱却しなければ、夢とロマンを乗せて北大西洋に沈んだ豪華客船タイタニック号の二の舞いにならぬとも限らない。