試行錯誤を重ねる中で出会ったのが、2022年にテレビ東京系ほかにて放送された『チェンソーマン』でした。
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『チェンソーマン』は2018年から『週刊少年ジャンプ』でスタートし、現在は『少年ジャンプ+』で第2部が連載中。コミックのシリーズ累計発行部数は3500万部を突破している。チェンソーの悪魔の力を持つ主人公・デンジが、悪魔を狩るデビルハンターとして戦いを繰り広げるアクションマンガだ。
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『チェンソーマン』には、私がアニメを仕事に選んだ理由や、STUDIO4℃に入社した頃に強く惹かれていたサブカルチャーの系譜が、はっきり流れていると感じました。既存の枠に収まりきらない衝動や、少し歪んだ視点、それでもエンターテインメントとして成立させる力。MAPPAに集まってくるクリエイターたちの気質や、これまで自分たちが好んで制作してきた作品とも、どこか通じるものがありました。
だからこそ、この作品を手がけるのであれば、単に制作を担うのではなく、いま自分たちにできる力をすべてぶつけたいと思ったのです。その中で選択したのが、「100%単独出資」でした。製作委員会を組成せず、宣伝や海外展開、商品化まで含めて、自分たちで責任を持つ。それは自信というよりも、覚悟に近い判断だったと思います。
そして事業の強化や100%出資で得られた収益は、会社に溜め込むのではなく、クリエイターの労働環境の改善や次世代の育成、そしてより良い作品を創り続けるための設備投資にしっかりと還元していく。それがこのビジネススキームに取り組む最大の目的でした。
100%単独出資のリスク
一方で、ファンの多い原作を1社でお預かりし、その権利まで含めて運用する責任は想像以上に重いものでした。制作だけに集中していればよいわけではなく、宣伝や海外展開、商品化まで、自分たちの判断が作品の評価に直結します。
『チェンソーマン』第一期では、制作面、ライツ面でも、理想どおりに進んだとは言えませんでした。経験不足や体制の未熟さが露呈した部分もあったと思います。単独出資という形を選んだ以上、その結果はすべて自分たちに返ってきます。
※約7700字の全文では、『ユーリ!!! on ICE』がヒットする中で痛感した歯がゆさを大塚学氏が明かしています。また、海外で感じた『週刊少年ジャンプ』の影響力の大きさも語られています。
全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年4月号に掲載されています(大塚学「MAPPAは創作とライツの両立を目指す」)。
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