桜も見ごろを迎え、陰から陽へと移り変わるこの季節。つらい花粉症やイライラなどの不調を抱える人は多い。冬に溜まった毒を出し、巡りをよくする食材とは? 究極の春バテ解消レシピを漢方のエキスパートが直伝!

漢方薬の役割

 花粉症にイライラ、だるさ……春先に陥りがちな体調不良、いわゆる“春バテ”に悩む人はじつに多い。

「漢方では春バテは“陰”の季節である冬から“陽”の季節の春へと移り変わる際の不調といえます。東の方から春のあたたかい風が吹いて来て上半身に熱が集まり、気が高ぶったような状態になるため、自律神経が乱れてイライラしたり、アレルギー反応も起きやすくなるのです」

 物事が動き出す春には、冬の間に体にたまった老廃物や汚れが“毒”として一気に噴き出し、ニキビや湿疹として現れることも。

ADVERTISEMENT

「たとえるなら、長いこと車庫に置きっぱなしにしておいた車と同じ。古くなったエンジンオイルで車をいきなり走らせれば、故障の原因になりますよね? この時季、漢方では“解毒”が重視されます。車のオイルを定期交換するように、体からも古くなった老廃物を排出させましょう」

 こう語るのは、NHKドラマ『しあわせは食べて寝て待て』(水凪トリ原作)で薬膳考証を担当した薬日本堂漢方スクール講師の鈴木養平氏(57)。薬剤師として30年以上の経験を持ち、日本漢方養生学協会理事長でもある漢方の専門家が、“春バテ”に克つ薬膳レシピを伝授する。

鈴木養平氏

 漢方とは、古代中国医学をベースに、日本の気候や風土に合わせて独自に発展してきた伝統医療を指す。

 江戸時代にベストセラーとなった健康のバイブル『養生訓』には、「自分の健康を自分でつくれば、健やかに歳を重ね、天寿を全うできる」と記されている。

「養生とは、日々の生活の中で私たちが生まれながらに持っている生命力=自然治癒力を高めていくこと。『一に養生、二に漢方』の考えで、日々の心の持ち方や食事、運動、睡眠や休息を整えることを第一に、それでも足りない場合に漢方薬で補います」