食材の効能を理解し、体質や体調に合った食材を選ぶことが大切

 養生の中でも食養生が、いわゆる薬膳だ。「漢方薬を食べるの?」と思う人もいるかもしれないが、そう難しく考える必要はない。

「『医食同源』という言葉があるように、本来、薬と食べ物に垣根はありません。食べ物にも様々な働きがあるので、季節や症状、体質にマッチした食材を摂ることを心がければいいのです」

 大切なのは、食材の効能を理解し、体質や体調に合った食材を選ぶこと。これだけで、普段の料理が手軽に薬膳になる。

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 続いて、薬膳の基本的なポイントをおさえよう。まず人間の体をつくる「()」・「(けつ)」・「(すい)」という三つの要素だ。気は、体を動かす生命エネルギーのことで三要素の中心。体を温めたり、ウイルスから体を守ったりする働きがある。血は、西洋医学の血液と似ていて全身に栄養を巡らせる。水は、リンパ液や汗など血液以外の体液を指し、身体を潤したり、老廃物を体の外へ出す。

「三要素が全身をスムーズに巡ることで体調が整い、健康に過ごせます」

 気血水とともに重要なのが、漢方の根本にある古代中国の哲学「(いん)(よう)()(ぎょう)(せつ)」だ。万物すべての現象を五つに分類して考え、人の体を「(かん)」・「(しん)」・「()」・「(はい)」・「(じん)」と五つの機能=()(ぞう)で捉える。全てが調和して働いている状態が健康であり、五臓のバランスが崩れた状態が続くと、体調不良や疾患につながる。季節ごとに影響を受けやすい五臓が決まっており、春は肝の季節、冬は腎の季節とされる。ただし、季節は次第に移り変わるため、春には肝と腎の両方をケアすることがポイントだ。

 肝、腎に加えて、忘れてはいけないのが、冒頭で触れた春の解毒だ。

「寒さから身を守る冬は、老廃物や脂肪、水分などを体に溜め込み、代謝不良に陥りがちです。代謝が活発化する春にかけて、暴飲暴食を控え、お通じを整えるなど、巡りをよくすることを意識して解毒作用のある食材を選びましょう」

 肝・腎・解毒の3点を踏まえ、春の薬膳で取り入れたい食材を紹介しよう。

《この続きでは、●ふきのとう、筍……旬の山菜で解毒する、●透明鼻水に生姜、ねぎ、シソ 玉蓮参スープで花粉症撃退など具体的なレシピもあわせて紹介している。記事の全文は現在配信中の「週刊文春 電子版」で読むことできる》

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