ヤマハ:ボクスン

ヤマハ:ボクスン 発売年:1985年 当時の新車価格:13万9,000円 スペック:5.8PS / 7,000rpm 現存数が極めて少なく、市場に出ればマニアの間で争奪戦となる。

「世界初のメットイン。形は変だけど、便利さを発明した功労者」

 今では当たり前の「メットイン」を世界で初めて採用したバイクである。呉尾氏は「ヘルメットを収納するために、後ろがボコッと膨らんだ変な格好をしている。しかし、このバイクがなければ今の便利なスクーターライフはなかった。デザインの美しさと利便性がまだ葛藤していた時代の、ユニークな発明品」と指摘する。

カワサキ:KS-I 

カワサキ:KS-I  発売年:1988年 当時の新車価格:17万9,000円  スペック:7.2PS / 8,500rpm ミニモタードの元祖として人気。オフロードでの酷使が多いため、美車は高騰。

「カワサキが生んだ個性派」

ADVERTISEMENT

 KSRの前身となるKS-Iはかなりの「クセモノ」だった。80ccクラスと共通のエンジンを小さな車体に押し込んだ一台。呉尾氏が最も印象に残っているのはそのフロントフォークで、「片側にはバネがなく、油だけ。もう片側にバネが入っているという変則構造の個性派」とのこと。

⑥昭和の香り・レトロ&小ネタ系

 時代の空気感を色濃く反映し、今なお語り継がれるエピソードや愛嬌に満ちたバイクたち。

スズキ:ジェンマ

スズキ:ジェンマ50 発売年:1981年 当時の新車価格:11万9,000円 スペック:3.5PS / 5,500rpm デザイン性が高く、お洒落な街乗り用として10万円台後半で取引される。ちなみにジェンマ50はキックのみ。デラックス(12万9,000円)とスーパーデラックスはセル付き。風防付きのカスタム(15万9,000円)もあった。

「名前を巡る大人の事情。ホンダを避けてジェンマになった?」

 1980年代、スズキがおしゃれ路線で投入した一台。CMにはイタリアの俳優・ジュリアーノ・ジェンマが起用された。呉尾氏によれば「当時はこうしたダジャレ系の起用も少なくなかった。ただ、実は当初はピーター・フォンダに宣伝を依頼する予定だったのが、スズキのバイクなのに『フォンダ(ホンダ)』という名前を連呼するのはマズいだろう、となって、急遽ジェンマに変更されたという説があるんです」とのこと。

 ベスパに似た重厚なデザインは今見ても美しく、当時のスズキのこだわりが感じられる。

スズキ:蘭&薔薇

スズキ:蘭 発売年:1983年 当時の新車価格:6万9,000円(DX) スペック:3.6PS / 5,500rpm DXはヘッドライト15Wで、シートの後ろに燃料計がついたモデル。ほかにスーパーDX(7万9,000円)、カスタム(8万9,000円)も設定されていた。
スズキ:薔薇 発売年:1983年 当時の新車価格:6万9,800円 スペック:3.8PS / 5,500rpm 驚異的な軽さゆえ使い勝手が良く、今も数万円から10万円程度で実働車が動く。1990年にCY50と改名され、1992年頃まで販売されていた。CY50は8万9,000円。

「イタリアでは棺桶? 名前に泣いた花シリーズ」

 1980年代にスズキが展開した「お花シリーズ」。しかし、呉尾氏は「最初は日本語の『薔薇(BARA)』のままで、世界展開する予定だったんです。ところがイタリア語でBARAは『棺桶』や『遺体安置所』という意味だったことが分かり、慌てて海外では名前を変えたといういわく付き」と明かす。

 バイク自体は女性向けに特化した扱いやすい名車だったのだが、その名前のインパクトばかりが伝説として残ってしまった。

スズキ:マメタン

スズキ:マメタン 発売年:1977年 当時の新車価格:10万9,000円 スペック:5.5PS / 8,000rpm チョッパーブームを反映したレトロな魅力で、20万円以上のプレミアム価格。

「チョッパー風スタイルの先駆け。遊び心の塊」

 その名の通り「マメなタンク」を乗せた超小型バイク。呉尾氏は「当時の若者はこれをさらに改造して、自分だけのスタイルを追求した。原チャリという限られた排気量でも、これだけ自由な表現ができるということを証明した一台」と語る。当時のスズキらしい遊び心が詰まった昭和の名車である。

ヤマハ:RX50スペシャル

ヤマハ:RX50スペシャル 発売年:1980年 当時の新車価格:14万3,000円(画像はスポークホイール仕様) スペック:7.0PS / 9,000rpm 50ccとは思えない豪華な装備が特徴。希少車につき価格は高値安定。

「XS650スペシャルを原チャリで再現」

 アメリカンブームの中で放たれた、ヤマハらしい流麗なスタイルの50cc。50ccながらも、所有感を満たす豪華な装備とデザインで、大人たちのサブバイクとしても愛された。

最初から記事を読む かつて数万円だった「おばちゃんの足」が今や100万円超え…“原チャリ”生産終了で価格が爆騰している昭和・平成の名車11選

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。