ヤマハ:ボクスン
「世界初のメットイン。形は変だけど、便利さを発明した功労者」
今では当たり前の「メットイン」を世界で初めて採用したバイクである。呉尾氏は「ヘルメットを収納するために、後ろがボコッと膨らんだ変な格好をしている。しかし、このバイクがなければ今の便利なスクーターライフはなかった。デザインの美しさと利便性がまだ葛藤していた時代の、ユニークな発明品」と指摘する。
カワサキ:KS-I
「カワサキが生んだ個性派」
KSRの前身となるKS-Iはかなりの「クセモノ」だった。80ccクラスと共通のエンジンを小さな車体に押し込んだ一台。呉尾氏が最も印象に残っているのはそのフロントフォークで、「片側にはバネがなく、油だけ。もう片側にバネが入っているという変則構造の個性派」とのこと。
⑥昭和の香り・レトロ&小ネタ系
時代の空気感を色濃く反映し、今なお語り継がれるエピソードや愛嬌に満ちたバイクたち。
スズキ:ジェンマ
「名前を巡る大人の事情。ホンダを避けてジェンマになった?」
1980年代、スズキがおしゃれ路線で投入した一台。CMにはイタリアの俳優・ジュリアーノ・ジェンマが起用された。呉尾氏によれば「当時はこうしたダジャレ系の起用も少なくなかった。ただ、実は当初はピーター・フォンダに宣伝を依頼する予定だったのが、スズキのバイクなのに『フォンダ(ホンダ)』という名前を連呼するのはマズいだろう、となって、急遽ジェンマに変更されたという説があるんです」とのこと。
ベスパに似た重厚なデザインは今見ても美しく、当時のスズキのこだわりが感じられる。
スズキ:蘭&薔薇
「イタリアでは棺桶? 名前に泣いた花シリーズ」
1980年代にスズキが展開した「お花シリーズ」。しかし、呉尾氏は「最初は日本語の『薔薇(BARA)』のままで、世界展開する予定だったんです。ところがイタリア語でBARAは『棺桶』や『遺体安置所』という意味だったことが分かり、慌てて海外では名前を変えたといういわく付き」と明かす。
バイク自体は女性向けに特化した扱いやすい名車だったのだが、その名前のインパクトばかりが伝説として残ってしまった。
スズキ:マメタン
「チョッパー風スタイルの先駆け。遊び心の塊」
その名の通り「マメなタンク」を乗せた超小型バイク。呉尾氏は「当時の若者はこれをさらに改造して、自分だけのスタイルを追求した。原チャリという限られた排気量でも、これだけ自由な表現ができるということを証明した一台」と語る。当時のスズキらしい遊び心が詰まった昭和の名車である。
ヤマハ:RX50スペシャル
「XS650スペシャルを原チャリで再現」
アメリカンブームの中で放たれた、ヤマハらしい流麗なスタイルの50cc。50ccながらも、所有感を満たす豪華な装備とデザインで、大人たちのサブバイクとしても愛された。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。






