「じつは殺害された被害者はもっといるようだ」

 逮捕前後の経過を辿っておくと、まず3月6日の早朝、17歳の少女・広田清美さん(仮名)が、男女の元から逃走。その後、迎えに来た祖父に伴われて門司警察署に出向き、被害を届け出る。続いて、管轄となる小倉北署に移動し、被害申告を行ったことにより、小倉北署の捜査員約20名が情報収集に動く。

 3月7日、清美さんの証言に信憑性があり、立件が可能であると判断した小倉北署は、門司区にある祖父母宅に現れた氏名不詳の男女を、午後9時8分に、清美さんへの監禁・傷害容疑で逮捕した。

 さらに同日、清美さんの証言に基づいて、小倉北区にある「泉台マンション10×号室」(仮名)を家宅捜索したところ、そこにいた6歳の双子の男児と、5歳と9歳の男児が保護された。なお、後に6歳の双子の男児は、当時山口県内の飲食店で働いていた田岡真由美さん(仮名、37)が、養育費を渡して男女に預けた息子たちであることが判明。5歳と9歳の男児は、逮捕された男女の息子であることが確認された。

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 3月8日、男女の逮捕を受けて、小倉北署は関係先の小倉北区にある「片野マンション30×号室」、「東篠崎マンション90×号室」(仮名)、「泉台マンション10×号室」、さらに清美さんの祖父母宅の計4カ所を家宅捜索した。

男児4人が保護されたマンション内部

 そして3月11日、小倉北署に「北九州市小倉北区内における少女特異監禁等事件」捜査本部が設置され、13日には、男女の名前が松永太(40)と緒方純子(40)だと判明する。2人は福岡県柳川市と久留米市に地縁があり、内縁関係とのことだった。

 この頃になって、ようやく取材する私にも、「少女は父親が殺害されていると話しているらしい」との情報が届くようになった。やがてそれは、「じつは殺害された被害者はもっといるようだ」に変わっていく。