クルマの入れない大きな広場

 高架下の改札を抜け、自由通路を北か南か。ひとまず南口に出てみると、駅前にはクルマの入れない大きな広場があった。

 駅舎の向かいには線路と並行するように道路が通り、広場を挟むように背の高いビル。駅の出入口に近いビルは、上層部がマンションで低層部には図書館などの公共施設、そして1階には我らがドトールコーヒーなどが入っている。ドトールのある町はいい町と相場が決まっているから、兵庫の町への期待も膨らむばかりだ。

 

 で、そのドトールの反対、西側にも上層がマンションであろう高層ビル。そこからさらに線路に沿うように西に向かってマンション群が続いている。キャナルタウン兵庫という再開発エリアで、マンション群の中心はURの団地なのだとか。

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 キャナルタウン兵庫は、もともと兵庫駅の一部、貨物エリアだった。兵庫駅からは和田岬線や兵庫臨港線といった、貨物路線が分かれていた。

 和田岬線は川崎重工や三菱重工、カネボウなどの工場へ、兵庫臨港線は中央卸売市場やその東の兵庫港岸壁まで繋がっていた。言うまでもなく、神戸は日本を代表する港湾都市、そして工業都市だ。兵庫駅やその町も、そんな神戸の一端を担っていた、ということなのだろう。

 兵庫臨港線は1980年代に廃止されてしまったが、和田岬線はいまでも現役だ。といっても、都会の真ん中にありながらも運転本数は極めて少なく、終点近くの三菱重工の工場への通勤路線といった役割を担っているに過ぎない。

 沿線(終点の和田岬駅近く)には、ヴィッセル神戸のホームスタジアム・ノエビアスタジアム神戸があるのだが、そちらへの観客輸送は主に地下鉄が担当しているようだ。

 ともあれ、駅の南側には広大な貨物エリアがあった兵庫駅。いまでは再開発されて形を変えた。

 

 再開発で生まれた駅前広場を抜けて道路を渡ったすぐ先には、阪神高速の高架が見える。高架を潜れば、いわばありふれた住宅地。その中を右へ左へ歩いて行き着いた先に、運河が流れていた。