心情的に皇太子の方に同情している私としては、「長官の一存とは思えない」との文言は、長官にも、両親にも文句を言えないであろう皇太子に代わって自分が言って上げようと覚悟した上での表現だった。

 その上で、「来ないなら来てほしいと天皇側が自分で皇太子に言えば済むことだろう」との思いをぬぐえない私は、こうして家族の問題を飛び越えて周囲を巻き込んでしまうようなことが現実に起きていることにも質問を及ばせようと思った。

 参内に行くのか行かないのか、なぜ行かないかを聞くよりも、わだかまる家族の問題をどう思っているのか聞く方が、記者の意識として正しいと今でも思う。家庭内のことに「公」の組織である宮内庁幹部が巻き込まれるのは正常な姿と言えるのか。

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 大げさに言えば、平成の皇室がまとってきた「公」の在り方そのものに疑問を投げかけたつもりだった。この質問は、今でも宮内庁のホームページに掲載されている。

「家庭内のことではない」との叱責

 返答を求められた徳仁皇太子の回答は予想通りのものだった。

「両陛下の愛子に対するお心配りは、本当に常に有り難く感謝を申し上げております。御所に参内する頻度についてもできる限り心掛けてまいりたいと思っております。家族のプライベートな事柄ですので、これ以上立ち入ってお話しをするのは差し控えたいと思います」