報道に対する一般の人々のコメントのなかには、こういった話題自体を「くだらない」と却下するものもありました。「ダサい」だの「みっともない」だのと批判するもの、「これは国際会議での国の権威に関わる」などと服装の重要性に言及するものまでさまざまでした。
「だらし内閣」などと揶揄する表現まで
挙げ句の果てに「だらし内閣」などと揶揄する表現まで飛び出しました。政府の広報はこの事態をよろしくないと判断したのか、閣僚たちの服装をだらしないと認めたのかはわかりませんが、後日、記念写真に加工が施されました。首相官邸が発表した写真では、当初に各メディアが撮影した写真と異なり、最前列に立っている閣僚の腹部のシャツは見えなくなり、黒い服地となりました。
当時の林芳正官房長官は記者会見で、写真に「軽微な編集処理を行った」ことを認めています。そしてその理由について、「記念写真として末永く本人の記念として残るため」と説明しました。
確かに、閣僚本人の記念写真ではあるでしょう。しかし、内閣発足の記念写真として、国内外の記録に末永く残るものです。それこそ「だらし内閣」の汚名を残さないように、修正が施されたのではないでしょうか。
結局、この一件は日本国民に強い印象を残すことになりました。というのも、その一年後に発足した高市内閣の写真撮影の際にも、前石破内閣の記念写真の話題が掘り起こされたからです。
「だらし内閣から脱却 高市政権の写真撮影、石破内閣のようなズボンだぶつき男性閣僚はおらず」(日刊スポーツ、2025年10月22日)などと、石破内閣の記念写真との比較を行うメディアの報道が見られました。
しかし、内閣に「ふさわしい」装いとはどのようなものでしょうか? モーニングコートを立派に着こなすことなのでしょうか。モーニングコートは西洋に由来する服ですが、現代の西洋の政治家は、それらを身につけて記念写真を撮るわけではありません。インターネットで欧米の政治家たちの集合写真を見てみると、だいたいみなビジネススーツやそれに準じる服を身につけています。いつもの調子で余裕すら感じさせる装いです。
