働く中で誰もが味わう「理不尽」を「理論」で明快に解き明かし、「なぜ働くのか?」という問いに徹底的に向き合ったビジネス書『理不尽仕事論 「クソが!!」と思った時に読む本』。
本書の著者、組織開発や人材育成のプロフェッショナルである坂井風太さんが、YouTubeチャンネル『ReHacQ−リハック−』に登場。プロデューサーの高橋弘樹さんと、ビジネスパーソンが直面する理不尽について語り尽くしたトークの一部をお届けします。
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「理不尽な上司」と「生存者バイアス」
『ReHacQ』プロデューサー・高橋弘樹さん(以下、高橋) 「理不尽な上司」ってどんな人ですか? 理不尽な上司に当たった時の攻略法を考えたいです。
坂井風太さん(以下、坂井) 著書『理不尽仕事論』の中では「ブリリアントジャーク(優秀だけど嫌な奴)」という言葉で表現しています。私が色々な組織を見てきて難しいと感じるのは、このような人が成果を上げれば上げるほど、ポジションを得ていってしまうという構造です。明らかに社内でぶっきらぼうなコミュニケーションを取っていても、人事や部下は注意しづらい。さらに、その人の上司にあたる人も「この人を外すと短期的に利益が下がるかもしれない」と考えてしまい、誰も何も言えなくなってしまうんです。
高橋 そこをもっと深掘りしていくと、「それは本当に理不尽なのか?」という問題がまず発生していると思うんです。「ダメな部下」からしたら、優秀な上司は理不尽に見えると思うんですよね。話しても通じない場合、コミュニケーションを取らない方が速い瞬間があるじゃないですか。すごく極端に言うと、頭のいい部下には全部教えるけれど、理解力がないと思ったら教えない、とか。
これがもっとマイルドに「説明が足りない」といった形で表れている場合もある。上司はさらに上の役員レイヤーの情報を知っていても、それを全て部下に伝えるわけにはいかないじゃないですか。そういうコミュニケーション不足のせいで「理不尽だ」と部下から思われているパターンと、本当に理不尽なパターンがある。
坂井 そうなんですよ。以前出演させていただいた際に、「生存者バイアス」の説明をしたと思います。ただ、上司は上司なりの正義でやっている部分もあるわけですから、何でもかんでも「生存者バイアスだ」とラベリングしてしまうのは結構問題だと思っているんです。“「生存者バイアス」バイアス”になると、全ての意見を封殺できてしまう。
ちなみにこの『理不尽仕事論』は「『クソが!!』と思った時に読む本」という副題がついているのですが、これは他者に対して「クソが!!」と思った時ではないんです。「あの時こういう発言をしてしまった自分」あるいは「理解できなかった自分へのもどかしさや苛立ち」に向き合うことが大切だと思い、この本を書いたんですよ。職場における問題は上司側・部下側の双方に原因があることが多いので、その理論を皆が分かっておいた方が良いと思うんです。
