ソロになり、「キング・オブ・ポップ」と呼ばれるようになってからのマイケル・ジャクソンが、テレビメディアに出演した数は限られている。そのなかで、最も異色なのは、日本のテレビバラエティ『SMAP×SMAP』への出演だろう。その番組を放送作家として支え、小説『もう明日が待っている』(文藝春秋)でその出演までの顚末を書いた鈴木おさむさんに、身近で見たマイケルの姿を聞いた。

​鈴木おさむさん ©︎文藝春秋/石川啓次

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マイケル・ジャクソンを通らない者はいなかった

映画『Michael/マイケル』より、「BAD WORLD TOUR」のシーン

 鈴木おさむの事務所には、いまもマイケル・ジャクソンのフィギュアが置かれている。箱に入った「スリラー」バージョンのフィギュアを手にして、マイケルの思い出を語り出す。

「もう、子どものころからスターですよね。『スリラー』の時には、僕はまだ小学生だったので記憶が薄いんですが、『BAD』の時には中学生になっていましたから、衝撃が大きかったんですよ。とくに、あのころの僕は、とんねるずさんですべての物事が動いていたころで、『とんねるずのみなさんのおかげです』(火曜ワイドスペシャル版PART3/1987年10月13日放送)で、ノリさん(木梨憲武)がマイケル、タカさん(石橋貴明)が“ライオネル・リチ男”を演じて、『BAD』のMVのパロディをとてつもないお金をかけて作っていたのが衝撃でした(笑)」

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 当時の中学生、とくに少しでも音楽に興味のある中学生にとって、マイケル・ジャクソンを通らない者はいなかった。

「僕の場合は中1くらいからカルチャー・クラブやデュラン・デュランあたりを入り口に洋楽を聴き始めて、UKロックやポップスを次々に聴いていくなかで『BAD』があったんです。たしか、日本テレビで『BAD』のミュージック・ビデオ(MV)を紹介する特番があったんですよ。『マイケル・ジャクソンの新しいMVが到着しました』と、それだけのために。それを楽しみに観た記憶が残っていますね」