5月1日に日米同時公開されて以降、両国で大ヒット。日本での最終興行収入は50億円超との噂で、近年多発している“あのヒット作の続編”の中でも超優秀作。まずは配信で前作を予習してから調査に向かいました!
今週のターゲット 『プラダを着た悪魔2』
〈あらすじ・概要〉大ヒットコメディ『プラダを着た悪魔』の20年後を描いた20年ぶりの続編。報道記者として経験を積んだアンディ(アン・ハサウェイ)が高級ファッション誌『ランウェイ』編集長のミランダ(メリル・ストリープ)と共に雑誌存続の危機に立ち向かう。前作に続くデビッド・フランケル監督。119分。
あの鬼編集長が、帰ってくる!? しかも主演は変わらずアン・ハサウェイ。そのほか主要キャストも続投! それだけでワクワクが止まらない本作。前作『プラダを着た悪魔』(06)をしっかりチェックしてから臨まねば! というわけで、まずはおさらいです。
舞台はニューヨーク、高級ファッション雑誌『ランウェイ』編集部。業界に絶大な影響力を持つカリスマ編集長ミランダ(メリル・ストリープ)のアシスタントとして雇われたのが、アンディことアンドレア(アン・ハサウェイ)。報道記者志望でファッションには疎い彼女が、時に理不尽な目に遭いながら成長していく。ストーリーもさることながら、プラダにシャネルにエルメスに、豪華な一流ブランドのアイテムが多数登場。目の保養になると全世界の女性たちに支持された大ヒット作でした。
で、今回はその20年後。『ランウェイ』を離れ、報道記者として経験を積んだアンディが訳あって古巣に戻ってくるところからスタートです。
古参ファンには、各キャラクターの変化が楽しみどころ。なんと言っても注目は、20年経った今でも『ランウェイ』に君臨しているミランダでしょう(演じるメリルは現在76歳!)。高級ブランドに身を包み、ハイヒールで闊歩する姿や嫌味の切れ味に衰えは見えません。ただし丸くなった部分も。なんと脱いだコートを自らハンガーに掛けている! これに“!”がつく理由は、ぜひ前作を観ていただきたいのですが、さすがの悪魔も現代のコンプラには勝てなかった様子(苦笑)。
もう一人のキーパーソンが、前作ではアンディの同僚だったエミリー(エミリー・ブラント)です。本作ではラグジュアリーブランド「ディオール」の広報責任者を務める彼女の、ミランダやアンディに対する複雑な感情がとんでもない事態を引き起こすわけですが……。個人的に、このエミリーへの共感が半端なかったです。ミランダの信奉者で頑張り屋。なのに報われない。不憫で憎めないキャラクターについつい感情移入。そりゃあ美貌にも才能にも運にも恵まれた愛されヒロインに嫉妬するの、よーくわかります。いっそエミリーを主人公にしたスピンオフが観たいかも。
しかし本作のテーマは、女性たちの頑張りだけにあらず。この20年で社会は激変。『ランウェイ』とて雑誌産業衰退の波を免れず……。そこに現れたのがファッションへの関心ゼロの新社長。これまでの編集方針に異を唱え、AI導入による経営のスリム化を画策、さらにはテック富豪による買収計画まで持ち上がる。そんな現実社会に通じる諸問題が描かれているのです。うう、身につまされる。本作でも物語としては大団円ながら、メディア業界の未来に希望の光は見出せず(泣)。それでもこの映画自体が、「AIには作れない超一流品とはこういうもんやで!」という製作陣の決意表明のようでもあり。確かに、数秒ではとても作り出せない世界を堪能した2時間(ちょうどいい!)でした。




