プロが「冷やご飯」をチャーハンに使わないワケ
基本の作り方では冷やご飯ではなく、温かいご飯を使います。冷めたご飯は米粒同士が固まっているので炒めづらいからです。
実際、僕が見聞きした中国料理店の厨房では炊飯器などで保温されたご飯を使うところもあれば、席数の少ない高級店ではご飯を蒸して温め直すお店もありましたが、冷やご飯からチャーハンを作る店は見たことがありません。冷たいご飯を炒めて、チャーハンを作るのには時間がかかり、効率的ではないからでしょう。
卵はご飯より先に加えます。ご飯がべたべたする要因が表面のデンプンである、というのは前述しましたが、卵を加えることで特に卵黄に含まれるレシチンが油と合わさり、米粒から水分が外に出るのを防ぎ、同時に外から余分な水分が入るのを防ぐ役割を果たすとされます(金子真由美ほか「チャーハンの物性とおいしさに及ぼすマヨネーズ配合の影響」)。
冷凍チャーハンの製造方法には卵黄、乾燥卵白、米を合わせ、炊き上げてから炒める、炒め油に乳化剤を添加するなどがありますが、同じ原理を応用したものですし、世の中に「裏ワザ」として広まっている「あらかじめご飯と卵を混ぜたものを炒める」という手法もこうした理由からです。
あらかじめご飯と卵を混ぜる場合、卵は全卵ではなく、卵黄のみを使用したほうがいいでしょう。卵白の大部分は水分なので、ご飯と混ぜると粘りの原因になるからです。また、揚州炒飯や河野レシピ(書籍参照)のように卵を具材として生かしたい場合、後から事前に加熱した卵を加えるにしても卵とご飯を炒めてから、さらに具材として事前に炒めた卵を加えるのが良さそうです。
