タイトル通算6期、史上4人目の竜王・名人。トップ棋士として確かな実績を積み重ねてきた豊島将之九段(36)。昨年度、銀河戦の決勝では藤井聡太竜王・名人を破り、6年ぶり2度目の優勝を果たした。

 そんな将棋界の至宝が今年1月、結婚を発表。将棋ファンはもちろん、棋士仲間たちからも驚きと祝福の声が相次いだ。「序盤・中盤・終盤、隙がない」と称される男の“結婚の決め手”とは?(全3回の2回目/つづきを読む

豊島将之九段 ©︎細田忠/文藝春秋

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奥様とはどこで出会った?

――奥様との馴れ初め、結婚を決めた理由についてお伺いしてもよろしいでしょうか。

豊島将之九段(以下、豊島) 馴れ初めですか。先ほども言ったように自分の中での将棋の葛藤をいろいろと昇華できて、それで将来のことを考えた時に、結婚したいなという意識が出てきました。

 そして、知り合いの方に『良い方がいたら紹介して欲しい』と依頼したのが出会いです。皆さんが真剣に考えてくれたのがうれしかったですね。

 結婚への決め手は特にありませんが(笑)、元々願望自体はあって、付き合っているうちにフィーリングがあったというか、引っかかるところがなかったからということになるでしょうか。

 自分は将棋に限らず割りと考え過ぎて暗くなりがちですが、妻は楽天的なので、そこでも相性がよかったのかなと。交際中は週末にちょっと会うくらいでしたが、その頃に結婚した後のことを想像したりとか、両親にどのように紹介するかなどを考えていました。

20代の頃はそれほど結婚願望がなかった

――こういうと失礼かもしれませんが、豊島さんに結婚願望があったことに驚く見方もありそうです。

©︎細田忠/文藝春秋

豊島 確かに、20代の頃はそれほどありませんでしたね。とりあえずタイトル戦に出れているうちは将棋をしっかりやろうというくらいにしか将来を考えていませんでしたし、どういう人と結婚したいというのもなかったです。

 30歳の頃に周りの近い世代の結婚が相次ぎました。ただその時は『自分も』とはならなかったです。

 それからなんとなく将来のイメージができて、独身よりは結婚した方が楽しそうだなと思うようになりました。長い目で見たら将棋にプラスになりそうなというのもありそうです。そのために結婚したわけではありませんが。