ママがここまでしてくれるなんて……。さすがに感謝している。
でも、私の中では、長年のママに対する複雑な想いがあるのもたしかだ。
「結局は、自分の心配でしょ」
今回の闘病中、それが一気に噴き出した場面があった。
抗がん剤の副作用で体中がダルさに襲われ、手足がむくんでつらくて仕方なかった。ベッドからも起き上がれない日が続く。そんなとき、ママは毎朝、私の脚をマッサージしてくれた。
「こんなことまでしてくれるなんて」
正直、驚いたし、これが「母の無償の愛か」なんてしみじみ感じた。
だけど、次の瞬間、私はこんな酷いことを口にしていた。
「ねえ、ママ。私がいなくなっちゃったら困るから、いろいろしてくれるの?」
「そんなことないわよ」
キョトンとした顔で答えるママ。
「いや、そんなことあるよ。結局は、自分の心配でしょ。今、私がいなくなったら大変だもんね」
食い下がる私。憎まれ口を叩いているのは自分でもわかっている。
心の中で感謝はしているけど、どうしてもママを冷めた目で見てしまう。それは幼少期の私に対するママの接し方に原因があるのだ。
パパは愛情たっぷりに私を育ててくれたけど、ママは違った。ママについては「親を選べたらよかったのに」と恨みがましく思うこともあるくらい。それを本人にそのまま伝えたことだってある。ママも反論はしない。「ごめんね」と謝るしかない。
世間的な「梅宮クラウディア」のイメージは、日本語がカタコトで、頭の中が「お花畑」のような可愛らしい人、という感じではないか。ママが天然ボケをかまし、横にいる私がツッコミを入れる。そんな母娘の微笑ましい場面を目にした人も多いはず。
でも本当は仲良くなんかない。こんなところで噓をついてもしょうがない。憎しみとまで言うと大げさだけど、私とママの間には、確実に溝がある。
そのあたりの私の気持ちも、この本では正直に綴ろうと思う。
