――ピッチを完璧にコントロールしていた澤さんは、子育てにも迷いがない感じですね。
澤 いやいや、手探りですよ。いろいろ経験してきたからこそ、子どもを見ていたら「失敗しそうだな」とか分かるじゃないですか。そういう時、つい「やめておいたら?」とか言いたくなっちゃうんです。でも、転ばないと分からないこともあるから、ぐっと我慢したり、それでも口出ししちゃったり……。
「言いすぎちゃったな」「悲しませちゃったかな」って、夜に娘の寝顔を見ながら自己嫌悪に陥ることもしょっちゅうです。自分とは違う一人の人間だから、思うようにいかないことばかり。日々反省するし、娘からたくさんのことを学びますね。
「行ってきます」の時にはハグとキスを
――6歳の頃には、アメリカのサマースクールへ短期留学に送り出したそうですね。
澤 子どもが全く違う環境に身を置くって、とても勇気が必要だったと思うんですよ。でも、「行ってみたい?」と言ったら「うん」と。現地には私も一緒に行ったけど、学校は娘一人で通って、寂しかっただろうし、辛いこともあったと思います。
でもスクールから戻った娘は一段と成長したような表情をしていました。大きくなった時に「あの時の経験が生きた」と思ってもらえればいいですね。
――家訓というか、家族の決め事のようなことはありますか?
澤 「行ってきます」の時にはハグとキスをします。「いつ最後になるか分からないから、後悔しないように」といつも言っていますね。あとは、とにかくコミュニケーションを密にすることかな。ルールというより、家族の会話は本当に多いと思います。
さまざまな資格も取得
――子育て心理アドバイザー、食生活アドバイザー、スポーツ栄養プランナーなどの資格も取られたんですよね。
澤 勉強することで家族を助けられたらいいなと思ったのがきっかけでした。あと、食にはもともと興味があったので。
――「澤さんはすごく料理上手」と元チームメイトから聞いたことがあります。
澤 料理は現役時代から結構やっていたので、おいしいはずです(笑)。なるべく添加物が入っていない食材を選んだり、お米はストウブ鍋で炊いたり、出来立てを出すようにしたり……小さなことでもこだわったら、やっぱりおいしいんですよね。でも、料理上手の人がインスタグラムにアップするようなものでは全然なくて、彩り豊かな料理だったら夫の方が得意かもしれません。休日は夫が作ることが多いんですが、結構手の込んだものをつくるんです。
食育に力を入れたからか、娘は好き嫌いなく育ちました。味覚が大人っぽいんですよ。ゴルゴンゾーラとかバジル、生ガキ、レバー、ピクルスなども平気で食べます。先日はパクチーに挑戦したいというので出したら、「これは無理、ドクダミみたい」って(笑)。「ドクダミなんて知っているの?」とおかしかった。
