――2015年、代表として出場したカナダW杯では準優勝。引退試合となった皇后杯では決勝ゴールを決めました。
澤 心の底から「やり切ったな」と。最高のサッカー人生で、全く悔いはありません。
――澤さんをみてサッカーを始めたという選手が多くいます。
澤 それが一番うれしいかな。私が子どもの頃は女子サッカーチームがなかったので、男子に交じってやるしかなかったし、大会も男子のみで、女子は試合に出られないこともあった。でも今、なでしこの多くの選手が海外チームで活躍しているし、プロとして生計も立てている。そんな環境の下地作りに少しは貢献できたのかなと思うと本当にうれしいです。
日本サッカーのレベルは間違いなく上がっている
――今年の男子サッカーW杯では、日本代表の活躍が期待されますね。
澤 日本サッカーのレベルは間違いなく上がっていると思います。世界ランキングなどいろいろなデータが出ますが、実際にやってみないと結果は最後までわかりません。前回大会だって、強豪のドイツやスペインを破りましたし。
少し前まで日本代表の目標はベスト8だったのに、今の代表は優勝を口にしています。それだけ世界強豪国に伍しているということですよね。観客の一人として、楽しみにしています。
――来年は女子のW杯が、ブラジルで開催されますね。
澤 強いチームとたくさん試合をやってほしいですね。負けてもいいんです。そこで自分たちに足りないところや修正しなきゃいけないところをたくさん出してほしいなと。
今のなでしこには、いい選手が揃っています。海外の選手と日常的に対戦している選手も多く、スピードの感覚やリーチの長さなど、いろんなことを経験できているのですごくプラスになっていると思います。
50歳で何か大きいチャレンジを
――最後に、澤さんの今後の展望を教えてください。
澤 50歳で何か大きいことにチャレンジしたいですね。
――どんなことでしょうか?
澤 分からないです。特に決まっているわけではなくて(笑)。50歳から新たにスタートするってカッコよくないですか? 「年齢は関係ないですよ」みたいな。今は子育て中心で、考える余裕もないですが、そのころには娘も中学生になるので、徐々に見つけていけたらいいな。
もちろん何かサッカー界のためにできることがあれば、いつでも尽力するつもりです。
撮影=今井知佑/文藝春秋
澤穂希(さわ ほまれ)/1978年9月6日生まれ、東京都出身。15歳で日本代表入り。2011年、FIFA女子ワールドカップ・ドイツ大会では、キャプテンとしてなでしこジャパンの優勝に貢献し、大会MVPと得点王に輝く。同年度、FIFAバロンドール授賞式にて、「女子年間最優秀選手」を受賞。2015年8月に結婚し、同年12月に現役引退。日本女子代表史上、出場数・ゴール数歴代1位を獲得。現在は、一児の母として子育てしながら、スポーツの普及のため様々な活動を行っている。2023年に「スポーツ栄養プランナー」、「子育て心理アドバイザー」、「食生活アドバイザー®3級」を取得。
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