生まれつき難聴でありながら、TikTokやYouTubeなどで総フォロワー数十万人規模の発信を続ける難聴うさぎさん(31)。なぜ「難聴」をオープンに発信するようになったのでしょうか。3回にわたるインタビューの第1回は、活動名の由来から、上京、SNSで発信を始めるまでのお話をうかがいました。

難聴うさぎさん ©文藝春秋 撮影・細田忠

「平仮名がかわいくて…」難聴うさぎの誕生

――「難聴うさぎ」という活動名にしたのはなぜですか?

難聴うさぎさん(以下、うさぎ) 動物のうさぎが特別に好きだったわけではなくて。ただ「うさぎ」という平仮名がかわいいと思っていたんです。だからドラクエで勇者の名前をうさぎにしてプレイしたり、小さいときから使うことが多かったので、TikTokも「うさぎ」の名で始めました。

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「聴覚障がい」のハッシュタグをつけていたんですけど、それを省略するために名前を「難聴うさぎ」にしてみたら、しっくりきました。それにうさぎは耳が特徴の動物じゃないですか。だから難聴だっていうアピールにもなるかなって。

――難聴うさぎさんが聴こえないのは、子どもの頃からですよね?

うさぎ おそらく生まれつきで、原因は不明です。

――TikTokを始めたのはいつですか。

うさぎ 2018年の4月。会社員をしながらスタートしました。

芸能界への憧れと、TikTokがくれた居場所

――TikTokを始めたきっかけは?

うさぎ もともとテレビとかキラキラした世界に憧れがあって、小さい頃から芸能界に入りたいと思っていました。それで地元の島根から20歳で上京して、いくつかオーディションを受けたんですけど、なかなか受からなくて。難聴や補聴器をつけてることが原因かな、と思いながら「何のために東京に来たんだろう」と悩みました。

 そんなとき、流行り始めていたTikTokをやってみたら、思ったよりバズったので「これだ!」と。これでフォロワーがたくさんついてくれたら、そのうちメディアが自分を使ってくれるかもしれないとも思って。

©文藝春秋

 それに、TikTokは加工ができるじゃないですか。「誰これ?」みたいなくらい自分を可愛く撮ることができる(笑)。可愛い自分になれるから……それもあってTikTokにハマっちゃったんです。

――投稿の内容は、作戦を練って撮ってますか? それとも感覚的に勢いで?

うさぎ 当初は音楽も使って「聴こえない人でも普通に発信できるよ!」とただただ楽しい感じの動画でやってたんです。でもありがたいことに今はPRのお仕事を頂いて、アンバサダーもしているから、社会的な意味のある発信が多くなりました。

 でも仕事の発信ばかりでは、私も視聴者も両方飽きてしまうかもしれない。だからまた、時々は以前のような、ひたすら「楽しい!」という動画もやるようにしてます。