すっくと2本足で立つ姿が有名だったオスのレッサーパンダ、風太。2003年7月5日に生まれてから今年で23歳になる。国内で飼育されている個体としては最高齢になった。現在も千葉市動物公園(千葉市若葉区)で元気に暮らしており、人気も衰えを知らない。なぜ、風太は人の心を捉えるのか。(全2回の2回目/最初から読む)
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「やっと会えたんです」頬を紅潮させた女性
「1週間も会えなかったんです。会いたさが募って、うずうずしていました。悲しかった。だから今日は閉園時間までずっといるつもりです」。5月下旬、千葉市動物公園のレッサーパンダ舎。ファンだという中年の女性が一生懸命に風太のビデオを撮影していた。
#1で述べたように、気候変動による温暖化で、レッサーパンダは夏季の屋外展示が厳しくなっている。今年は5月から最高気温が上がり、「昨年の5月は暑くて外に出られなかったのが1日だけだったのに、今年は中旬に3日も続きました。その後も雨だったので、やっと会えたんです」と女性は頬を紅潮させていた。
高齢の風太は気温が25度を超えると、屋外展示しない。雨の日もそうだ。このため梅雨時期の6月中旬から9月中旬までは外に出さず、風太自身も出ない日が多い。「これから会えなくなるので、今日はしっかり会っておきたい」と女性は力を込める。
風太を中心に同園で飼育されている6頭のレッサーパンダの姿は動画にしっかり撮影してある。SDカードとパソコンの外付け記録媒体に二重で保存してあり、容量はどれくらいか分からないほどだ。「会えない期間は動画で気持ちを紛らわせます」と話していたが、そう口に出しただけで表情が曇っていた。
初めて会った日から恋に落ちた
女性が千葉市動物公園に通い始めたのはちょうど8年前だ。生まれて初めて見たレッサーパンダが風太だった。
「風太の15歳の誕生日の式典に『千葉市民なのに行ったことがない』と、軽い気持ちで参加しました。その場で『カワイイ!』と思って通うようになりました」。最初は週に数日だった。それが「毎日行くのが当たり前」になっていく。なぜそうまでして訪れるのか。「ひたすらカワイイと思ったからです。風太は23歳を前にして、このかわいさなんですよ」と目を輝かせた。
「ファン歴8年」は「まだ中堅どころ」と言う。「風太が来る前から通っている人もいます」と教えてくれた。そうした中には、レッサーパンダの立像を園に寄贈した人もいる。レッサーパンダ舎の前には風太像、そして風太の妻チィチィと双子のユウタ・風花の3体の像が建てられており、来園する子供達の撮影スポットになっている。
「カワイイ」と、一瞬にして心をわしづかみにされてしまうのは男女を問わない。


