最近は外国からの観光客も

 そうした風太の姿や、日本のレッサーパンダは、世界に知られ始めているのかもしれない。千葉市動物公園で会ったファンの皆さんは「最近、外国からのお客さんが増えた」と口をそろえていた。ファン歴8年の女性は「何かのツアーに組み込まれているような気がします」と語る。

園内で販売されている「千葉市動物公園ラーメン」はレッサーパンダのデザイン包装

 日本はレッサーパンダ大国だ。

 レッサーパンダは生息地や外見の特徴からシセンレッサーパンダとネパールレッサーパンダの2種類に分けられ、日本では主にシセンレッサーパンダが飼育されている。公益社団法人「日本動物園水族館協会」(JAZA)によると、シセンレッサーパンダは世界で369頭(2023年12月31日時点)が飼育されていて、そのうち国内のJAZA加盟動物園には57施設に213頭(2025年12月31日時点)がいる。実に世界の飼育頭数の6割近くが国内なのである。

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 どうしてそうなったのか。「日本がレッサーパンダの飼育を開始した後、比較的早い段階(1980年代)からレッサーパンダの繁殖計画を立てて計画的な管理が進められたこと、全国の飼育園・館が協力して様々な調査研究(繁殖生理や家系タイプ調査など)や飼育管理技術の共有・継承が行われてきたことが大きいと思います」とJAZAは解説する。

レッサーパンダは絶滅危惧種

 野生のレッサーパンダの生息数は2500~1万頭と推定されていて、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。このままだと数十年で絶滅してしまう危険性があるという。日本の動物園に多くの個体がいる意義は大きい。

 JAZAは「遺伝的な多様性を保ちながらレッサーパンダを次の世代へつないでいくことは、世界中の動物園で飼育されているレッサーパンダの個体群を次世代へ残していくことに大きく貢献しており、ひいては絶滅の危機に瀕するレッサーパンダを救うことにつながります」としている。

 世界から日本のレッサーパンダを見に来る人がいるのは当然だろう。長老としてその頂点に立つ風太に会いたい人もいるはずだ。

千葉都市モノレールの動物公園駅にはり出された来園者への注意にはレッサーパンダが描かれていた

 日本で最も長く生きたレッサーパンダは24歳だった。風太はあと1年でその記録に並ぶ。飼育員の伊藤さんは「レッサーパンダの1年は人間の数年分に当たります。1年がどれほど長いか。それでも体力が落ちる夏を越せば、次が見えてくる気がします」と期待する。

 風太の快挙はまだまだ続く。

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