60代男性「妻が先にファンになって…」
「まるでぬいぐるみが歩いているようでしょう」。ファン歴5年という60代の男性が言う。一緒に訪れている妻が先にファンになった。妻は「最初に見た時、世の中にこんなにカワイイ動物がいるのかと思いました。風太は年を取ってもカワイイし、今の方がカワイイかもしれません。そう思っているのは私だけじゃありません。今日一日だけでレッサーパンダ舎の前でどれだけ『カワイイ』という言葉を聞いたか。1000回を下らないでしょう」と微笑む。
飼育係から見ても同じだ。昨年4月から担当している伊藤泰志さん(61)は「私は類人猿の担当が長かったのですが、レッサーパンダは本当にカワイイですね。人気が出るのが分かります」と話す。
ただし、風太の場合は単なるカワイイではない。
ファン歴8年の女性が分析する。
「風太は反応が違うのです。まるで人間がしてほしいことが分かっているかのようで、『さすがアイドルだね』と言う人もいます。だからファンが多いのです」
風太には入れ込み方が違うファンが多い
例えば、来園者の方をじっと見つめる。
「カメラを向けているのが分かっているのか、じっと見てくれます。小屋の中で横になっている時も、撮りたいだけ撮りなさいと言う感じで顔を出します。じっと見つめられたら、胸がキュンとしてしまう。人を夢中にさせてしまうのです。こちらが勘違いしてしまうというか……。他の子(個体)は目を合わせても短時間。風太には入れ込み方が違うファンが多いのです」
だが、風太はほとんど見えていないはずだ。それもファンの皆さんはよく分かっている。
ファン歴5年の男性は人間の医療にも詳しく、「白内障の右目だけでなく、左目もあまり見えないのでしょう。曇りガラスのようになって視野も狭いんじゃないかな」と話す。
ファン歴8年の女性が引き取る。「大好きなサツマイモを目の前に出されてもスルーしてしまうことがあり、かなり見えなくなっています。私のことは覚えているはずだけど、見えているのかな」と悲しげだ。ただし、聴覚だけでも風太は反応する。
「子供が声を掛けると、耳がピッと動いて、こっちを向いたりしてくれます。やっぱりスター性があるんです」とファン歴8年の女性は感心する。
スター性については、飼育員の伊藤さんも感じることがある。


