『ナギダイアリー』一行がレッドカーペットに
愚痴っていても仕方ないので、午後2時半からの審査員記者会見へ。今年の審査委員長は、韓国の監督パク・チャヌク。『オールド・ボーイ』で次点に当たるグランプリを受賞したのが前述の2004年だった。この年の審査委員長はクエンティン・タランティーノ。彼は『オールド・ボーイ』をパルムに推したが、他の審査員たちがマイケル・ムーアの『華氏911』を推す意見に負けたことを会見で明かして、結構な騒ぎになったのが懐かしい。パク・チャヌクは「政治と芸術は切り離せない。芸術とは政治的な意見の表明という側面もある。同時に政治的なことを描いてない作品を軽んじることもしない」と発言。これはベルリン映画祭で審査委員長を務めたヴィム・ヴェンダースが「政治と芸術は分けて考える」と発言し、炎上してしまったことを受けてのもの。審査員団は他に役者陣がデミ・ムーア、ルース・ネッガ、ステラン・スカルスガルド、アイザック・バンコレ、監督のクロエ・ジャオとローラ・ワンデル、そして脚本家ポール・ラバーティ。
ここ数年、過去の名作をポスターに用いているカンヌは、今年は1991年の『テルマ&ルイーズ』をフィーチャー。『オールド・オーク』などケン・ローチの社会派作品で知られるスコットランド出身のラバーティは、ルイーズ役のスーザン・サランドンに触れ「ガザのために声をあげた彼女がハリウッドで干されるなんておかしい。彼女やマーク・ラファロ、ハビエル・バルデムを僕は尊敬する」とハリウッドの姿勢を非難し、大きな拍手を浴びた。その後、開幕セレモニーの中継と開幕作品『電気のヴィーナス』(原題直訳)をドビュッシー劇場(カンヌで2番目に大きく1068席)で鑑賞。1920年代のパリを舞台にニセ霊媒師のサーカスの美女と、画家、画廊オーナーの嘘と真実をめぐる駆け引きという、フレンチコメディの良さを集めたウェルメイドな恋愛映画。日本でも公開されると受けそう。
