17時15分からは監督週間の『我々は宇宙人』へ。平成の田舎町で出会った少年2人の30年の歩みと痛みをアニメで表現。上映後、満員の観客からの大歓声で門脇康平監督は目を潤ませ、声の出演をした坂東龍汰、岡山天音も大感激していた。監督週間は一般チケットが販売されるのだが、特に10代の女の子たちが熱狂していたのが新鮮だった。監督も29歳と若く、最初は役者かと思ってしまった。

『我々は宇宙人』上映(撮影:筆者)

『急に具合が悪くなる』は大傑作!

【5月15日(金)】映画祭4日目。朝10時半から『別離』などのアスガー・ファルハディ(イラン)初のフランス語映画 『並行した物語』(直訳)。作家が隣の家をのぞいて着想を得る、ということから始まるのだが目新しさは特になし。

 そして、14時から濱口竜介監督の『急に具合が悪くなる』公式上映。うわー、これですよ、これ。こういう観たことのない映画を観たかった。大傑作。日本人演出家・岡本多緒と、パリの介護施設長ヴィルジニー・エフィラが出会い、「死が迫ってきた時、人はどう生きるのか」という哲学的命題に真っ向から挑む。中心と周縁(都市と地方もふくめ)の関係性、資本主義の行き着く先などを2人が語り合う一方で、介護施設でユマニチュードというケアや演劇的なワークショップも描かれる。人と人が繋がり良きところを目指すという意味で、人生はワークショップなのかもしれない。温かみを感じる結末も素晴らしい。スタンディング・オベーションの長さは審査員の評価とは別だが、大喝采が続く。絶対に何か大きな賞をとるはず。ヴィルジニー・エフィラは朝観た『並行した物語』でも好演。

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『急に具合が悪くなる』公式会見(撮影:著者)

 19時半ごろ、MEGUMIさんがオーガナイズするJAPANESE NIGHTに行くが、大行列。私は早めに行ったせいで入れたが、あまりの大混雑でクラクラしてしまい、斎藤工さんの企画プレゼンテーションを見たところで、仲の良い韓国、香港の映画関係者が食事に行こうと言うので、一緒に退散。

(第2回につづく)

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