ロンドンより寒いよ!
【5月14日(木)】映画祭3日目。朝7時からのチケット予約のため、6時半に起きると寒い! ロンドンより寒いよ。今年は国際映画批評家連盟(FIPRESCI)メンバーとして、FILM NEW EUROPEの星取表に参加しているので、コンペ作品を漏らすわけには行かないが、ある映画のチケットが取れずがっくり。そして朝8時半のコンペ作品『ある女の人生』(直訳)へ。パリの大病院の外科医局長の女性が、夫や部下との関係や遠方に住む高齢の母親の介護に悩まされる中、女性の恋人を持つようになるが、という若干『ナギダイアリー』とかぶる内容。女優でもあるシャルリーヌ・ブルジョワ=タケ監督が、中年の危機をユーモアを交えて鮮やかに描いていて好感を持つ。私も足立区で一人暮らしをする91歳の実母のことを思い出すが、映画の母親はボケても恋人がいるのがフランスらしいなあ。
そのあとは『ナギダイアリー』公式記者会見へ。アジア映画の会見は人が少ないこともあるのだが、今回はかなり埋まっていて良かった。私も、寄子の感情の揺れ動きについて質問したところ「(友梨に対して)帰ってきてくれて嬉しいけれど、来ないで、来ないで、とも思っていた」と松さんが表現していて、言葉にしない感情表現の達者ぶりを改めて実感した。その後、業界紙の星取表を見ると、4点中2.5点とかなりの高評価。『ナギダイアリー』は今後のコンペ作品の基準となった。
続けてコンペ『FATHERLAND(ファザーランド)』。ドイツのノーベル賞作家トーマス・マンが、戦後初めて分断された母国に戻った旅を、娘エリカの視点で描く。監督は『COLD WAR あの歌、2つの心』で監督賞を受賞しているポーランド出身のパヴェウ・パヴリコフスキ。エリカ役のサンドラ・ヒュラーは2016年のコンペ作『ありがとう、トニ・エルドマン』以来、目を離せない存在で、3年前の『落下の解剖学』、『関心領域』の2本がパルムとグランプリを受賞したせいで女優賞をもらえなかった(基本的に規定で1作品1部門の受賞のみ)のが本当に勿体無かった。今回も良いが、もっと彼女のしなやかさを感じる作品であげたい気も。

