『すべて真夜中の恋人たち』囲み取材から韓国アクション『HOPE』へ
【5月17日(日)】映画祭6日目。10時15分、『箱の中の羊』公式会見。綾瀬はるかと大悟がちゃんと夫婦に見えるのはキャスティングの慧眼だと思うが、2人の関係性を質問してみると、音々(おとね)役の綾瀬はるかが、親との関係性の良くない彼女にとって「(夫の)健ちゃんは、ちょうど良い人だったんだと思う」と言っていて、納得。人は惚れたはれた、だけで結婚するわけじゃない。星取表は1.4。それは厳しすぎ。ただ是枝監督は会見で、親離れ子離れの話と語っていたが、その意図は外国の記者には伝わりにくかったろうと想像がつく。
そのあと、ある視点部門の岨手由紀子監督『すべて真夜中の恋人たち』の囲み取材へ。若手監督のコンペ的なある視点部門は、19本のうち11本が女性監督作品。男女の人口比を考えたら当然のことが、ようやく映画の世界でも当たり前になってきて嬉しい。岨手監督は「やっと半数を超えたというより、面白い映画が選ばれるのは自然なこと」とのこと。主演の岸井ゆきのは「監督は頼もしい方」と全幅の信頼を寄せた。
その後、日本のラジオ番組のためカンヌについてZoomで語ったが、絶不調。お聞き苦しくてすみません。そして22時から韓国ナ・ホンジンの『HOPE』。ぶっ飛んだ怪物アクションスリラー。ホン・ギョンピョのカメラワークが最高だし、チョ・インソンの使い方の正解を見た! 観終わったら深夜1時近かったのだけが辛かったが、映画祭折り返しで、素晴らしいサプライズだった。
【5月18日(月)】映画祭7日目。深夜までの上映でさすがにぐったりしたが、8時半に見逃したコンペ映画『GARANCE』。仕事や恋愛に行き詰まり、同性と恋に落ちる女優の話は、先週観た『ある女の人生』と被る。どちらもフランスの女性監督なので、何か共通した背景があるのかも。Another Dayという英語題にポール・マッカートニーの名曲を連想して期待したが、アデル・エグザルコプロスの熱演以外特筆するところなし。これがコンペじゃなければ、また印象も違うのだが。
すぐに移動し、日本のVIPO(映像産業振興機構)がフランスCNC(国立映画映像センター)と提携して開いた、映画制作における性的・性差別的暴力&ハラスメント対策のセミナーへ。あくまでダイジェストだが、カンヌに参加している日本のプロデューサーにとっては勉強になったはず。フランスではこのハラスメント講座がCNCの制作助成金申請に必須で、プロデューサーは全員受講するという。



