日本から届いた訃報にショック
17時、薬を飲んでから、クリスチャン・ムンジウのコンペ作品『Fjord(フィヨルド)』上映へ。これは予想以上に面白い。ルーマニアからノルウェーの村にやってきた敬虔なクリスチャンの一家が児童虐待を疑われるのだが、彼らは保守的な聖書原理主義の福音派。躾が厳しいのは確かなのだが、子どもたちにYouTubeを禁じていることも問題視されてしまう。福音派はアメリカのトランプ支持層に多い宗派なのだが、ヨーロッパではここまで異端扱いされるのねえ、と観終わった後、日本の記者とひとしきり話し合う。世界を知る上で、宗教問題は大きい。でも難しいわけではなく、もうゾクゾクするような展開。主人公が途中までセバスチャン・スタンとは気づかなかったー。『アベンジャーズ』はもちろん、『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』では若きトランプを演じていたのだ。妻役レナーテ・レインスヴェも素晴らしい。ルーマニア出身ムンジウ初の英語映画なのだが、そういえばスタンもルーマニア出身だったのね。これは脚本賞か役者の賞、もしくはもっと大きなものに絡みそう。
夜はダウンしてしまい試写を諦めおとなしく寝ようとしたら、映画評論家で翻訳家の齋藤敦子さんの訃報が日本から届く。ショック。齋藤さんはフランスで映画編集を学んだカンヌの常連で、日本映画ペンクラブでの国際映画批評家連盟(FIPRESCI)の担当だったが、体調不良のため私が昨年から引き継いでいた。でも年末にお会いした時はお元気だったのに。71歳はまだ早い。
