そして夜は、カンヌ・プレミア部門の黒沢清『黒牢城』へ。ドビュッシー劇場に入場してくる黒沢清監督への黄色い声援がすごい、すごい! アイドル並み。いやあ、Snow Manの宮舘涼太くんも、黒沢さんの人気に驚いただろう。カンヌ・プレミア部門はベテランの作品や娯楽作が比較的多く、3年前に北野武の『首』も上映された、と思ったら、『首』にも出てきた荒木村重が『黒牢城』の主人公なのね。こちらはミステリー仕立てで城の中だけで話が進むのが面白い。黒沢監督初の時代劇だが、登場人物の動かし方が物理的にとても上手くて、ストレスが溜まらない。悩める男が謎に取り込まれていってしまうあたり、まさに黒沢映画だな。それにしても私と同じ年のモックンのかっこよさよ! 上映後の囲み取材で、還暦になってようやくカンヌに来られたという話をしていたが、還暦仲間で記念撮影して貰えばよかったな。
就寝前のカップ味噌汁が染みる
夜23時過ぎの囲み取材だったのだが、取材場所のホテルに置いてあったお水を飲もうとしたら、「それはキャストの分です」と言われて、泣きそうになる。倒れそうに喉が渇いていて、なんとか泣きつきコップ1杯いただいたが、乾燥するカンヌなので、お水くらい用意してくれてもいいと思う。宣伝の方々、何卒お願い。評論家仲間のSさんが「昼間、試写中に倒れた人がいて救急車来たんですよ」と助け舟を出してくれて有り難かった。もちろんこっちだって常にボトルを持って歩いているのだが、長い試写を続けて見ると飲みきってしまうし、深夜には買えない(日本のようなコンビニはカンヌにはない)。まあそもそも体調が悪くて水を欲していたというのもあるのだが。ちなみにプレスセンターなどにはプラスチック削減のため水汲み場もいくつか設けられているのだが、流石に劇場の中にはない。ちなみにカンヌは水道水も飲めるが、かなりの硬水なので、ずっと飲んでいるとお腹が緩くなる。私だけかな? 多分マグネシウムが多いのか。12時過ぎに部屋に戻り、カップ味噌汁を飲んで寝る。今年はあまりの円安で色々食材を持ってきていたのだが、体調不良も重なり、和食が染みるなあ。
(第3回につづく)
