ウインナーを味わった後は、新商品のタレを使った牛肉のすき焼きが試食できる精肉コーナーへ向かう。こうした調理系の試食は親を伴うのが無難だが、その日は小さな紙コップに入った温かいひと切れをすんなりと渡してくれた。ここで一度、口の中をリセットするために青果コーナーまで引き返し、タッパーに入った旬のオレンジを1つ。
「おいしいものはちゃんと買って応援」するのが試食の流儀
そこからようやく親と合流する。母の腕を強引に引っ張り、まずは先ほどの試食で心に決めたウインナーが待つ売り場へ連行。買わなきゃいけなくなるから食べるなと言ったのにと怒る母を無視し、お目当てのフレーバーをカゴへイン。だって、もう食べちゃってるから仕方ない。
続いて精肉コーナーへ。店員さんはおかえりなさいと私を迎え、父と母と私の分までもう一度すき焼きを差し出してくれた。おいしいと私が大きな声で言ったのを合図に周囲の客が一気に集まり、次々とすき焼きのタレが手に取られていくのを見て、当然のように父も1つカゴに入れた。
滞在時間は残りわずか。ここでクラッカーにチーズをのせたものや、ふりかけを混ぜた小さな握り飯などの炭水化物があれば申し分ない。締めた後はやはり最後にもう一度、フルーツで口をさっぱりさせたくなる。再度青果コーナーへ戻ってカットオレンジを食べ、商品を2つ手に取って親の元へ。試食フルコース、完。
コロナ禍で消えていた試食も、最近は少しずつ戻ってきた。いい大人になった今も、試食コーナーを見つけるとつい気持ちが浮き立ってしまう。さすがに下見をしてコースを構築するような真似はしないが、試食が充実しているスーパーにはつい足が向く。今も試食しておいしいと思ったものはちゃんと買って応援している。それが私の試食の流儀なのだ。
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