「池山さんは打者が打席に立ったときの優先順位を決めています。まずは打つこと、その次にバスター、最後にバント。選手としては、やることが明確になっているため打席に集中し、思い切ったスイングができます。村上のような大砲がおらず、長打が狙えないチームですが、繋いで打つことに徹して勝ちをもぎ取っている」

 4月5日の神宮での中日戦は、5点ビハインドで迎えた7回裏に一挙7点を奪い、大逆転勝利を収めた。

「アウトにはなっていましたが、ヤクルト打線は、序盤から広角に強い打球が打てていました。池山さんはフルスイングして、アウトだったらしょうがないと割り切れる人。本人に『なんでバントしないの?』と聞いたら、『するシチュエーションがないんだもん』と言っていました」(内藤氏)

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「イケジャマ」と呼ばれて

 ヤクルトが勝てている3つ目の理由が、チームの雰囲気だ。試合中の池山は笑顔を絶やさず、得点をあげればコーチ、選手と一緒に飛び跳ねて喜ぶ。

「若いチームですし、監督があれだけ笑っていれば、選手は気持ちよくプレイできます」(広澤氏)

 五十嵐氏も、池山の人柄が大きく影響しているのではないかと分析する。

「選手は監督の表情、機嫌の良し悪しが気になります。池山さんはミスしたときも嫌な顔をしません。良い意味で選手が監督を気にしないでいられる。また、俯瞰してゲームを見るというより、選手と一緒に戦ってくれる。髙津さんは厳しさの中に優しさがあったが、池山さんは『常に明るく思い切り野球をやりましょう』という方針なのだと思います」

 ただ、現役時代の池山を知る関係者は「昔はめちゃくちゃ怖かったので、今の池山さんは信じられない」と語る。3年後輩だった内藤氏が明かす。

「『おい、あれ持ってこい』と、常に先輩ヅラしてくる。ある試合の延長15回、落合(博満)さんと対峙したのですが、池山さんがマウンドに寄ってきて『ギャオス、相手は2億円だぞ。どうせ打たれる』って。どんな声かけやねん(笑)。先輩に対してもそんな態度で邪魔していたので、『イケジャマ』と呼ばれていました」

 実は指導者として、悩んだ時期もあったという。内藤氏が続ける。

「一緒にコーチをしていた人によると、池山さんは以前はなんでも一から教えてしまう『教え魔』だった。二軍監督時代の24年、体調不良で1日休養しましたが、ストレスが原因だったようです。その反省を活かして、その後は『選手を信じる指導法』に変わったことが、いい結果に繋がっているのかもしれません」

内藤氏は昔から池山とも仲良し ©時事通信社

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