唯一外に出られた介護実習
――少年院ではどのようなことをするのですか。
しおり 最初は編み物でしたね。あとは授業もありました。薬物の危険性を教わるとか。
私の場合は、途中で介護の資格を取らせてもらって。介護の実習でおばあちゃんたちとかかわるんですけど、それがちょっとした息抜きになってましたね。唯一外に出られたので。
ご飯はメチャクチャおいしかったですよ。おかげで好き嫌いとか少なくなりましたもん。ナスの煮物とか、それまで食べられなかったけど克服できた食べ物とかまあまあありました。
収容期間で得られた“気づき”
――収容期間はトータルどのくらいだったのでしょうか。
しおり 最終的には1年8カ月です。最初のうちは出たくて出たくてしょうがなかったですけど、4カ月、5カ月が過ぎて、1年になる頃にはもう慣れてたんじゃないかな。
だけど慣れるまでは、自分と向き合う時間が本当に辛くて。メチャメチャ向き合わないといけないんですよ。自分の何がダメで何がいいのか。だって、自分と向き合うなんてしたくないから暴走族をやっとったと思うし、家に帰りたくなかったんだと思うし。そんなこと考えたくないから、自由勝手に振る舞ってたわけなので。
それでも見つめ直すことにも慣れてくるんですよね。そうしなくちゃいけない環境で生活していたので。
――そうしたなかで、なんらかの“気づき”を得られるものですか。
しおり 当たり前だと思っていたことが当たり前じゃなかったとか、人への接し方に思いやりが全くなかったとか。傷害で捕まった時も、自分は手は出さずに指示だけ出して。「あいつにやらせとけ」とか、「お前はああせえ、こうせえ」みたいな感じで言うわけですよ。要するに、人をオモチャとしてしか見てなかったんですよね。後輩というよりかは。
自分が言えば誰もが動くみたいな感じの、あまりよくないリーダーだったので。だから、人への接し方はずいぶんと変わりました。だいぶまともになりましたね。空気が読めるようになったというか。
