決定的となった「父親と長男の溝」

 聴取は四日間にわたり行われた。飯塚はその最後に、事故はプリウスが原因だと改めて主張した。さらに新車の納入を待てば良かったと強調して聴取を締め括った。

「アクア(新車)が納入されるまでの間、車の運転を控えていれば、今回のような車の異常が発生せず事故を防ぐことができたと思っています」

 飯塚は自らの旗幟を鮮明にした。踏み間違いを一切否定する飯塚と、その主張を突き崩そうとする警視庁の攻防が始まった。

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 同時に長男との溝も決定的なものとなった。

 捜査関係者は、数年後にこう振り返った。

「一番つらかったのは松永さんだけど、飯塚の長男も本当にしんどかったと思う。あれだけ物事を理解していたのに、父親が納得してくれなかったわけだから」

次の記事に続く 「トヨタの非を認める判決が出る可能性は、限りなくゼロ」裁判で“勝ち目がない”と伝えたけれど…《池袋暴走事故》父・飯塚幸三を説得できなかった「長男の葛藤」