息子の障害も、夫婦だから受け入れて前を向けた

――未来くんになんらかの障害があるとわかった際、お互いに見直した点とか、意外だったことはありますか。

しほ もともと彼は、「人と違えば違うほどいい」という考えを持っている人で。赤ちゃん自身は元気であるものの、見た目にかかわる障害がありそうだとわかったときに、「違いなんて活かしようだし、むしろ俺のところに来てくれてよかったと思う」みたいなことを言っていたんですよね。

 私自身は、いじめられたらどうしようとネガティブなことを考えて心配してしまうタイプなので、夫が私とは真逆のスタンスだったことが安心につながりました。とにかく前向きな人なんです。

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孝輔 彼女は、「病気を持った子どもたちは全員私のもとに来てほしいと思っている」みたいなことを言っていて、聖母かなって思いました(笑)。

しほ ちょっと語弊がある気がするけど、それぐらいドンと構えられるオカンになりたい、みたいなことは言ったかな。それでも気持ちに波はあって。一番大きな波は、「周りに受け入れてもらえるだろうか」ということでした。

©杉山秀樹/文藝春秋

――障害のある子を家族や周りが受け入れてくれるか心配になった?

しほ 特にうちの両親は受容に時間がかかったんです。とにかく「しほが心配」という感じで、「この間の検査ではどうだったの?」と聞かれて、こういうことが判明したと伝えると、「はぁ」みたいなことがしばらく続いていて。

 そんな最中に、姉に子どもが生まれたんです。会いに行ったら、生後1カ月のかわいい新生児と、てんやわんやしている姉夫婦と、孫がかわいくて仕方がない両親とで、愛があふれる空間があって。

 楽しく過ごしたはずなのに、その日の帰り道は想像以上にダメージがあって、あんな風にうちの子は受け入れてもらえるのだろうかと、ものすごく不安になって号泣しちゃったんです。

――そうだったんですね。

しほ で、私がひとしきり彼に不安を打ち明けた後、夫が、「結婚式のときを思い出すな」と言い出して。私たちはコロナ禍で結婚式が何回も延期になって、規模もどんどん縮小されていって。

 あのときも私は「もう結婚式やめちゃおうかな」ぐらいに思って泣いていたけど、彼がいろんなアイデアを出してくれて、結果的に素敵な結婚式になりました。その時みたいに、今日の悲しかったことは育児を受け入れるために必要なステップであって、パパとだったらどんな育児でも乗り越えられるかもしれないと思えたんです。

©杉山秀樹/文藝春秋

――孝輔さんはとても前向きな方ということですが、それ故に、「こっちはこんなに悩んでいるのに!」とか「何も考えてないんじゃない?」みたいに思うことはなかったですか。

しほ 最初はありましたね。初めてリスクを指摘されたときも、あまりに心配するそぶりがなさ過ぎて(笑)、本当にドンと構えているタイプなのか、全然興味を持ってくれない人なのかわからなくて、一瞬ケンカになったこともありました。

 でも、結果的にパパは本当に前向きに対処できる人なんだということがわかったので、安心してます(笑)。