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手帳に書かれた「ヤバすぎる5文字」
樋口は1922年(大正11年)、東京の下町に生まれた。生後すぐ役場の書記をしていた父親が死亡。母親が家政婦などをしながら樋口と姉2人を育てた。小学校の高等科を卒業後、東大崎の義兄のもとで2年間、給仕奉公をしてから国鉄の試験を受け合格。
東京機関区に配属となり、東京‒沼津間の電気機関車の機関助手として働き始める。
当然のように異性には興味があった。が、大人の女性は「手の届かぬ、はるか彼方のもののよう」で気後れしてしまう。ただ、近くの小学生の女児たちは「電気機関車のお兄ちゃん」と言って抱きついてくる。
機関区周辺は別荘地帯で、富豪や華族階級が豪邸をかまえていた。この女児たちも“お嬢様”だったが、樋口はお菓子をあげたり、機関車に乗せたりして遊んでやった。
それが、いつのまにか犯罪に変化した。逮捕後、警察が押収した樋口の手帳には、1943年以来、毎月1人ずつ誘拐したとして、12歳から14歳までの14人の良家の美貌の少女の住所氏名と犯行記録が記されていた。
その手帳の冒頭に書かれていたのは「悲願千人斬」の5文字。樋口は単なる妄想で事実ではないと否定したが、ほどなく邪悪な欲望が実行に移される。