教室でモンスターの絵を描いていたら、先生から「頭がおかしい子だ」と思われ…

――そういう文化が、カメントツさんの現在の漫画に影響を与えていると思いますか?

カメントツ すごくあると思います。それこそアメリカでは、日本よりも圧倒的に絵を描く文化がないような気がしていて。

 日本だと、みんななんとなく「アンパンマンとドラえもんは描ける」みたいなことがあるんですけど、向こうではそれがなかった印象なんですよね。だから、僕がモンスターの絵を描いたりすると、すごく喜んでくれるんですよ。

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 当時、絵はがき大の紙を常に持っていたんですけど、そうすると学校で「おい、いつものあれくれよ」と言われたりして。僕がサラサラっとモンスターの絵を描いてあげると「ウォー」と嬉しがってくれて、それが一時期、通貨みたいに取引されていたこともあります。

 誰かに絵を描くのがどんどん楽しくなって、サービス精神が旺盛になっていって。最終的に絵はがき大では気が収まらず、特大のジャンボカードを作ろうと思い立ったんです。

 ジェイソンの身体から千手観音のようにたくさん手が出ていて、それぞれの手に全部違う武器を持っているモンスターの絵を教室で描いていたら、先生から「頭がおかしい子だ」と思われて、親とカウンセラーを学校に呼ばれました(笑)。

――当時の経験が、漫画家になることに繋がっていったのでしょうか。

カメントツ そうですね。僕は漫画家以外にもデザイナーの経験もあるのですが、「この人は何に対して喜ぶんだろう」とか「何を欲しがっているんだろう」というのを考えるのが面白いと気付いたのは、そのあたりだったと思います。

 

「おい、早く立てよ」アメリカの小学校で受けたいじめ

――アメリカの小学校に入学した初日、現地の子どもたちからいじめられたそうですね。

カメントツ そうなんですよ。あるグループに目をつけられてしまって。いじめ方もすごくアメリカっぽくて、突き飛ばされて僕が雪の上に転んでしまったので、また立ちあがろうとすると、そこをまた押されて転げさせられるんですよね。「おい、早く立てよ」「立て、立て」みたいな。

「おいカンフーやってみろよ」「お前の母ちゃん相撲レスラー」というような、人種差別的ないじめを受けて泣いて帰ったこともありました。

 あとは、昼食の時に母親が持たせてくれたおにぎりに対して「臭い」と言われたりしましたね。良い奴は「俺のスニッカーズと交換しようぜ」と声をかけてくれたり「めっちゃうまいじゃん」と言ってくれたりすることもありましたけど。

 カフェテリアで料理を載せたプレートを持っていたら、それをはたき落とされたりして、また買いに行かないといけなくなるようなこともありましたね。