マスク(仮面)を付けて活動し、SNSでたびたび“バズる”漫画家として知られているカメントツさん。『こぐまのケーキ屋さん』『カメントツの漫画ならず道』『こわいやさん』などの漫画がネットを中心に大きな話題を呼んだ。
カメントツさんは発達障害であることを公表し、現在は「障害者の方たちに聞いた怪談」をテーマに漫画を描いているという。なぜ自身の特性を公表したのか。どのような想いや問題意識を持って漫画を描いているのか。家族の問題や生きづらさを抱えている人へのメッセージとは――。(全4回の4回目/1回目から読む)
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「障害者の方たちに聞いた怪談」をテーマに漫画を描く理由
――カメントツさんは現在、どういったテーマで漫画を描いているのですか。
カメントツさん(以下、カメントツ) 生と死について考えたり「自分と違う立場の人を理解する」面白さを扱うことが多いんですけど、最近ずっと描いている題材は「障害者の方たちに聞いた怪談」なんですよね。取材した話が溜まり続けていて、まだ書けていないエピソードの方が多い状況なんですけど。
例えば、車椅子ユーザーの女性が経験した話を描いたことがあって。その女性は寝ている間に幽体離脱をすることがあるそうで、その間、彼女は自分の足で自由に移動することができたそうなんですね。でも、なぜか公園にある階段を登ることができなかったんです。
――肉体の記憶が、魂に反映されている?
カメントツ そうなのかもしれません。例えば「トイレの花子さん」という怪談があるじゃないですか。
――3番目のドアに向かって3回ノックをすると、中から返事が返ってくるという。
カメントツ 先天性の聴覚障害を持つ方に話を聞いたのですが、あの話はろう学校だと、少し違う怪談として伝わっているそうなんです。3番目のドアに向かって「遊び」という手話のサインをすると、ドアの隙間から手が出てきて、とある単語のサインをするらしく。
――それは、どういう意味の手話なのですか。
カメントツ 「痛い」という意味だそうです。
そのとき僕、取材を受けてくださったろう者の方に言われて「ハッ」としたんですけど、小学校の頃に流行ったような「トイレの花子さん」も「夜中に鳴るピアノ」の怪談も、聴覚障害を持つ人を想定していないんですよね。
怪談以上にその社会構造自体が怖いというか、障害を持つ人が透明化されてしまっている部分がずっとあると思っていて。
僕自身も発達障害を持っているんですけど、だからこそ、こういった「障害者の方たちに聞いた怪談」を取材して語ることで、身体障害や精神障害、疾患への理解を促すことができればいいなと思っています。
