「1日17時間勉強」「お風呂入ってるときも勉強」7か月で高卒認定をクリアできた理由

――やるしかない。

斎藤 英語はまず、3か月で大体中3まで終わりました。1日に12時間から15時間。長いときは17時間勉強をやってた。お風呂入ってるときも勉強です。

 とにかく高卒認定をクリアしなきゃって。数学なんて何にも分かんないんですよ。サイン、コサイン、タンジェントなんて分かるわけないじゃないですか。2次関数なんてなおさら。高卒認定の試験が2018年8月だから、それを1月からの7か月でやるんです。

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――でも、できた。

斎藤 できた。

――どうやったら数学ができるようになりました?

斎藤 シンプルに毎日、先生に聞いてました。分かんなかったら、とことん先生に聞きました。だって、分からなくても、答えは絶対にあるわけですよ。解くためにはどうやったらいいのかってことを教えてもらいました。それには基礎固めをしっかりしないと。

 足し算、掛け算、分数、割り算、それから方程式とか関数、そういうのを片っ端から覚えていきました。

 おかげで、43歳で高卒になれましたね。

 

「もう1年、僕の人生を使うのか…」慶應大は不合格→葛藤して浪人生活へ

――しかしその後、慶應に落ちてしまった。

斎藤 いや、その前にセンター試験で東海大学に受かってるんですよ。でも、高卒認定を取るまでの経緯を振り返ったら、勉強の難しさが痛いほどわかって、さすがに1年で慶應大学は無理だなと。

 で、東海大学に受かって。そこまでのことを思い出したら泣きましたね。あと「人生いつからでもやり直せる」って自信がつきました。

――東海大学に行くつもりだったんですか。

斎藤 通う気まんまんでした。「キャンパスライフとやらを楽しませてもらうか!」って。

 そうしたら、心から尊敬している社長さんから「え、これで終わり? 慶應じゃなくて、他の大学でいいの?」とメールが来て。ほかの方々からも「慶應、がんばんないの?」なんて言われたんですよ。

「もう1年、僕の人生を使うのか……」と、2日か3日は悩みに悩みましたね。成績がどうこうじゃなく、もう1年を勉強に使うのが苦しいんですよ。仕事もありましたから。机や問題集に向き合う辛さよりも、自分と向き合う精神面での戦いが辛い。

 逃げようと思えば、いつでも逃げられるじゃないですか。でも、東海大学に受かった達成感によって「僕はできるんだ」という自信もあったというか。そのあたりも自問自答しながら「やっぱり、慶應に受かろう」と決意したんです。

――フジゼミの藤岡先生にもその旨を。

斎藤 ガラガラ声で「もう1年やります。目から血が出るぐらいやりますから」と言ってお願いしました。だけど気合を入れて頑張ろうとしたら、広島に借りてたマンションに空き巣が入ったんですよ。

撮影=志水隆/文藝春秋

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