「福岡で一番かわいい女の子」というキャッチフレーズで売り出されたが、本人は…
当時、駅の改札口に設置された大型スクリーンでは、そのPR映像が連日のように流れていた。おかっぱ頭のひな人形に扮した今田は、とにかく可愛かった。大きな目がくるくると動き、表情も実に豊か。福岡在住だった筆者も、改札口を通るたびに思わず足を止めてしまったほどだ。
その後、上京して所属事務所から「福岡で一番かわいい女の子」というキャッチフレーズで売り出された今田。この言葉について、本人は後に「ハッタリだった」と明かしているが、当時の彼女を知る身としては、あながち大げさな表現でもなかったと思う。
それにしても、あの頃、福岡の街で見かけていた女の子が、これほど誰もが知る女優になるとは。当時の姿を知る福岡県民としては、なんとも感慨深い。
……と、筆者の思い出話はこのくらいにしておこう。
女優としての今田美桜は、そこから着実にキャリアを積み重ねていく。
2018年公開の映画『カランコエの花』では主演を務めた。LGBTをテーマにした同作は高い評価を受け、グランプリ6冠を含む計13冠を受賞。今田自身も「福岡インディペンデント映画祭2018」で俳優賞を受賞している。
この作品で見せた今田は、それまでの華やかなイメージとはまた違う魅力を持っていた。
悪女役の片鱗などまるでなく、無邪気な笑顔が印象的な、ごく普通の女子高生。肩の力が抜けた自然体の演技と、みずみずしい存在感が作品にしっくりとなじんでいた。
そして2018年4月期のドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系)では、一転して勝ち気な女子高生・真矢愛莉役を好演。
華やかなルックスと強烈なキャラクターが視聴者の目を引き、ここから一気にブレイクを果たしていく。
さらに2021年公開の映画『東京リベンジャーズ』ではヒロインを演じ、ついに日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するに至ったのだった。
こうして、わずか数年の間に数々の人気ドラマや話題作に出演し、今田美桜は瞬く間に人気女優への階段を駆け上がっていった。

