東海林 これは何ですか?

笠原 冬瓜を煮たやつです。横にあるのは、ひじきを入れたポテトサラダ。

東海林 これは?

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笠原 太刀魚を山椒だれに漬けて焼きました。長芋入りの大根おろしと一緒に食べるとおいしいと思います。

 

「ビールの液体と泡を見ないやつは駄目だ」

東海林 いただきます。うん、おいしいですね。素晴らしい、これ。

笠原 よかったです、嬉しいです。僕は東海林先生がビールの液体と泡を見ないやつは駄目だとお書きになっているエッセイを読んで、ずっとそれをモットーにビールを飲んでいます。缶のまま飲んじゃ駄目とか、一口目をジュルとしか飲まないやつも駄目とか、ゴキュゴキュ喉を鳴らして飲まなきゃ駄目だとか。

東海林 (グラスを手に)きれいですもんね。泡がね。

笠原 東海林先生は、いまはずっとこのヴェリタスブロイ(ドイツのノンアルコールビール)ですか?

東海林 こればっかり。ビールからアルコールだけ抜いたものです。

西荻窪の定食屋の雰囲気が好き

笠原 僕は東海林先生のエッセイを、ほぼ全部読んでると思うんですよ。とくに好きなのは、定食屋の話。大体みんなほうれんそうのおひたしを付けて、真面目な客が多いという。

東海林 僕は定食屋が好きなんですよね。雰囲気とか。

笠原 西荻窪の定食屋の話がよく出てきますよね。僕は18歳で板前の修業に出て、阿佐ヶ谷の寮に4年間住んだんですよ。電車で2駅なので、休みの日は「東海林先生はこの定食屋に行ってたのかな」と、街をうろうろしていました。

東海林 西荻窪には多いんですよ、仕事場から歩いて行けるところに4軒。

笠原 まだありますか。

東海林 最近3軒に減っちゃった。

『ショージ君の「料理大好き!」』を読んで、“男の料理”というものを知った

笠原 そうですか。僕が最初に読んだのは、『ショージ君の「料理大好き!」』。

東海林 ああ。1980年頃の月刊『太陽』(平凡社)の連載をまとめた本ですね。

笠原 東海林先生が料理をつくるんですよ。編集者のモヤシの斎藤さんと、カマドの坂本さんというカメラマンと、西荻窪の料理店「真砂」のオヤジさんを指南役に、毎回いろいろチャレンジして、スパイスからカレーをつくったり。あれで僕は料理にすごく興味を持つようになりました。本に影響されてチャーシューをつくってみたり。