居酒屋で1人で飲むときの“あるある”
笠原 居酒屋で1人で飲むときの、やることがないからメニューを全部読むっていう話も好きなんですよ。
東海林 そうそう。
笠原 メニューの最後の支店の電話番号まで読んで。それから壁の張り紙を全部見て、「冷えてます、生」っていう表現がいい、とか。
東海林 「生ビール 冷えてます」って。助詞が付かないんだね。「が」って入れるとつまらなくなっちゃう。
笠原 自分も1人で飲むとき、ああ、僕も読んでるなと思うんです。「整理整頓」という張り紙は、従業員用のやつだな、とか(笑)。
東海林先生のエッセイ「そういう人間心理を読むような回が大好き」
東海林 大体老夫婦でやってるのが多いですよね。二代目はなしで。自分たちがやれなくなったら(店を)やめちゃうんでしょうね。
笠原 僕は東京の武蔵小山が地元なんです。品川区の。そこも大きいアーケードがあって、昔はいろんな個人店ばっかりでいい街だったんですけど、もうみんなやめて、貸しちゃうから、チェーン店ばっかりで。
東海林 まあ、チェーン店ぐらい面白くないところはないですね。つくってる人に情熱がないしね。
笠原 味もどこへ行っても一緒ですしね。東海林先生のエッセイでもうひとつ好きな描写といえば、今日はたぶん相手に奢られるなっていう食事の席があるじゃないですか。そこで好きに頼めないという。
東海林 相手の出版社の大きさとかね。
笠原 そうそう(笑)。
東海林 奢ってくれる人がなかなか頼まないんですよね。予算があるし。
笠原 そういう人間心理を読むような回が、僕は大好きなんです。東海林先生にとって、ユーモアの源泉はありますか?
東海林 あることはありますね。椎名(誠)さんとよく飲みに行っていたときに、椎名さんがメニューを見て、「端から十センチ」なんていう注文の仕方をしたことがあるんですよ。
笠原 なんで十センチ。
東海林 めんどくさいから。でも面白いでしょ。
エッセイにもよく出てくる「真砂」のアノ料理
笠原 東海林先生のエッセイに、高級なお店は出てこないんですよね。プライベートで行かれていた、ちょっといいお店はあります?
東海林 ありますよ。とくに意識はしないけれども。でも、高級なところはあんまり行かないです。
笠原 行きつけだったお店は?
東海林 さっきも話に出た「真砂」。なくなっちゃったんですけど。
笠原 「真砂」はエッセイにもよく出てきますね。ローストビーフがすごくおいしそうで食べたかったです。
