東海林 そうそう。ローストビーフだけは高かったな。メニューはだいたい500円とか600円なのに、ローストビーフだけはたしか1000円とか。笠原さんは、行きつけの店ってありますか?

笠原 僕はおかげさまで料理人の友達も多いので、やっぱりいろいろ行きますね。基本的には東海林先生のエッセイに出てくるような大衆食堂とか町中華のほうが好きなので、普通の出前もやってるようなそば屋とか、そういうところばっかり行ってます。

「焼き鳥は串から抜いちゃいけない」酒の席での醍醐味は

東海林 そういう店が一番楽しいですね。メニューもたくさんあって、それだけで楽しい。「魚三酒場」は知ってます?

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笠原 門前仲町でしたっけ。あそこ、すごいですよね。壁一面、ウワーッと。

東海林 1000種類ぐらいあるんじゃないですか。店員が少なくて間に合わないのか、プラスチックの魚を入れる容器があるでしょう。あれのふたに料理をのせて運んでくるとかね。あそこにはよく行きましたね。

笠原 もうひとつ、東海林先生のエッセイに、営業前の焼き鳥店で、家族みんなで串を打っているという描写がありまして、まさにうちの実家もそうだったなと。

東海林 4時頃とかね。

笠原 そうですね。開店前にみんなでやるんです。こうやって串を打つ作業が、この家族の家計を支えているというエピソードがあって。で、学校から帰ってきた子どもが私立の制服を着てて、いいとこ行ってるんだ、みたいな(笑)。

東海林 そうそう。

笠原 その話、好きなんです。

東海林 せっかく家族で刺した串を、若い女性なんかは食べる前にすぐ外しちゃう。せっかく刺したのに。

笠原 あれはよくない。こうやって、串から引きちぎる行為が楽しいんですよ。

東海林 そうですね。

笠原 枝豆もむかれてちゃ駄目。

東海林 ほんとそうですね。あれ、むいて山盛りになってたらあんまり食べる気がしないですよね。

 

週刊誌ペースの連載『タンマ君』は「実質2日で描いている」

笠原 『週刊文春』のほうの連載『タンマ君』は、半世紀以上。週刊誌のペースでお仕事を続けられる秘訣はなんだったのでしょうか。

東海林 もう習慣になっていたから、秘訣も何もないな。

笠原 締め切りの何日前から描き始めるんですか?

東海林 前日ですね。

笠原 じゃあ、実質2日で描いている。

東海林 そうですね。でも週刊誌をやっているとすぐに来ちゃうんですよね。描き終わったなと思ったら、すぐ次の週の締め切りが。だから習慣になっちゃえば大丈夫なんです。