2026年のシルバーウィークは11年ぶりの5連休となり、どこかへ遠出する人も多いことだろう。その道すがら、目当ての駅弁を探して「あれっ?」と思う人もいるかもしれない。

 筆者は一足早く「あれっ?」を経験した。

 というのも、かつて東京駅で販売する駅弁として売り上げナンバーワンを誇った、ある弁当がひっそりと終売していたのだ。それも、1年以上も前に。

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 その弁当の名は「30品目バランス弁当」。豪華な牛肉や海産物を使うわけでもなく、全国区の有名どころに比べると、名前からしてかなり地味な印象の駅弁である。今回は、この駅弁をしのびつつ、「一見地味な弁当がどうして首都の玄関口でトップに上り詰められたのか」、そして「根強い人気にもかかわらず、なぜ終売へと追い込まれてしまったのか」を見ていきたい。

人知れず姿を消していた「30品目バランス弁当」。一見地味な駅弁が、なぜ東京駅でトップに君臨できたのか?(筆者撮影)

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地味ながら、かつて「東京駅で最も売れる駅弁」だった

 さて、どうしたことか。

 某日早朝、東京駅構内で「30品目バランス弁当」を探しても見当たらない。恐らく、製造の都合で各売店に届いていないのだろう。そこで、店員さんに入荷の予定は何時頃かたずねてみた。

「すみません、あのお弁当は販売終了になってしまったのです」

 どうりで見当たらなかったわけだ。それにしても、人気を誇った駅弁が終売とは驚いた。

「私も好きなお弁当だったので残念なんです。いつ? そうですね、確か去年だったので、もうだいぶ時間は経っていると思います」

 販売元のJR東日本クロスステーションに確認したところ、販売終了は2025年4月8日。残念ながら今後、販売再開の予定はないという。

「30品目バランス弁当」と聞いてピンとくる方は、そう多くはないだろう。全国区の「いかめし」(北海道・森駅)、「峠の釜めし」(群馬・横川駅)、「牛肉どまん中」(山形・米沢駅)、「ますのすし」(富山・富山駅)などに比べれば地味な存在だ。

 しかし、2011年10月に当時の販売元だった日本レストランエンタプライズ(NRE)が実施した調査では、同社が東京駅で展開する駅弁で月間販売数が1位だった。また、同社が2013年に公表した、東京駅構内の駅弁専門店「駅弁屋 祭」での販売実績に基づく年間ベスト10では、6位に食い込んだ。全国の有名駅弁が勢ぞろいする同店において、特に「峠の釜めし」(8位)を上回ったのは、特筆すべきだろう。

往時は並み居る競合の中で異彩を放っていた

 いったい、どのような特徴を持った商品だったのか。