背がデカいだけでイジメられる新弟子

長井 こっちが動けないと、上に乗ったまま顔面を拳で殴ったり、体に噛みついたりするんです。

──「動いてみろよ」って痛ぶるわけですね。

長井 そういう新弟子生活を続けていたら、どうしてもケガをするじゃないですか。するとケガをしている場所がわかるようにテーピングを巻くっていうルールがあって、例えば手首をケガしてたら手首にテーピングを巻いて、スパーリングをやる前に「すみません! 今日は手首をケガしてます」って自己申告するんです。そうするとまともな先輩はそこを極めないようにやってくれるんですけど、問題がある先輩はわざとケガしているところをグイグイ極めてきますからね。

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──故意に悪化させるわけですか。

長井 だから僕ら新弟子はデビュー前からみんな足首とかグラグラですよ。

──新弟子を育てるどころか壊していたと。

長井 だってある先輩に「お前たちなんか雑巾と同じなんだ。雑巾の代わりはいくらでもある」って言われましたもん。今の時代、それを言っただけでアウトでしょ。

──そうですね。

長井 で、誰がそれを言ったか想像がつきますよね?(笑)。

──まだ現役バリバリでやってそうな気がしますね(笑)。

長井 まだやってます。そんな時代ですよ。

──新弟子はケチョンケチョンにして、それに耐えられずに逃げ出したら、別のヤツを入れればいいみたいな感じなんですね。

長井 すごい悪い言い方だけど、人間扱いされないというか。「べつにお前たちなんかぶっ壊れたって代わりはいっぱいいるんだから」っていう感じですよ。

──基本的人権が保証されてない世界ですね(笑)。