林 そうですね。26歳になる年の元旦に「結婚しよう。でも籍は入れたくない」と言われました。一応「なんで?」と聞いたら「いや、俺にメリットないし」と。

 それで私も承諾したんですよ。そしたら「じゃあ、指輪を買おう。でも俺はしない。お前は外すな」と。で、私だけ指輪して、会社の人にも一応「事実婚になります」と報告しました。「良かった……のかな?」みたいな微妙なリアクションでしたけど(笑)。

 それでもだんだん「別れた方がいいのかな」と思い始めていた頃、会社の先輩たちに会議室に呼ばれたんです。先輩たちは、彼からの洗脳を解こうと話をしてくれて。

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「もっといい男はいるよ」

──どんな話してくれたんですか?

林 先輩たちは「まだ26歳だし、もっといい男はいるよ。今の彼にすがりつく必要ないよ」と。それこそその頃は、毎日のように泣きながら会社に行ってたんです。もっと頑張りたいのに「残業するのもダメ」だの「会社の付き合いでご飯行くのもダメ」だの言われて。先輩たちは「そういうのも彼が言うのは違うんじゃない?」と。

──確かに……。

林 会社の人には「親には頼れない」という話もしていたんです。そしたら「本当に家を出たいならかくまってあげる」と言ってくれて。それでも当時の私は「あの人、私がいないとダメだと思うんですよ」とか言っちゃってたんですよね。

 でも、そうやって話してもらっているうちに、少しずつ「ちゃんと自分の意思を持てるようにならないとダメなんだ」と気づき始めました。それで、彼の家を出ようと思い始めたんです。

──決定的な別れはいつだったんですか?

林 軽井沢の旅行に行ったのがきっかけだったんです。台風のなか一緒にゴルフに行ったんですが、私が体調悪くなっちゃって。そしたら彼は「ふざけんなよ」とブチ切れで。レストランに行ってもずっと怒られてるし、お会計は私が済ませたのにブチ切れてくるし……。なんでこんな思いをしているのかと、あまりにしんどくて過呼吸になっちゃったんですが、そのままレストランの外に置いていかれて。

──ひどい……。

林 その時も、彼にプレゼント渡したんです。ヴィトンのキーケースなんですけど。でも、それも投げ捨てられちゃったんです。それを見ていたら、昔、母親にプレゼントをあげて、投げ捨てられた記憶がフラッシュバックしてしまって……。「なんでここまで苦しまないといけないんだろう」って。

 彼に対しても、私がやってることが一緒なんですよ。ご機嫌取ろうとして、プレゼント渡したりして。相手からプレゼントをもらったことは一度もないんですけど。

──それでいよいよ別れを決意したんですね。