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「プリンス」と呼ばれた船田元が読み解く小泉進次郎の苦悩

小泉進次郎は変節したのか? 連続インタビュー #1

2018/10/10
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光がだいぶ衰えた状況になるでしょうね

――「政界のプリンス」として一世を風靡し、永田町の酸いも甘いも噛み分ける船田さんの目には、総裁選で洞ヶ峠を決め込んだ小泉さんの姿がどう映り、これからどうなっていくと見ていますか。

選挙の応援弁士としても人気を博してきたが…… ©文藝春秋

船田 全てを敵に回したということだから、今は何を言おうとしてもバイアスがかかって見られてしまいますので、光がだいぶ衰えた状況になるでしょうね。

 政治家というのは、光っている時は自分では大したことないと思って言う言葉が大きく取り上げられて、「すごい!」と騒がれたりします。逆に、光を失くした時は、「この一言でスターダムにのしあがるかもしれない」と思っても、こけたり、全然反応がなかったり。その落差は極めて大きいです。彼もこれからいろいろやっていくでしょうが、私と同じような経験をするでしょう。でも、それでめげてはいけない。必ず光を取り戻す時があるはずですから。

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©文藝春秋

――船田さんは「めげない」ためにどうしていたのですか。

船田 党の会議に出ても目立つところには座らない。発言を控える。しかし、そこに存在はしているという日々を過ごしました。東京の予定よりも地元のイベントを優先し、政局は一応ウォッチしますが、他の仕事を一生懸命やることで気を紛らわせていました。ある意味では英気を養っていました。

 議員どうしで飲みに行く機会も減ります。でも、それは仕方ないんだと、また波が戻ってくる時はあるだろうと言い聞かせながら、その時を過ごしていたんですね。

#2 中曽根康隆 につづく)

文藝春秋 2018年 11 月号 [雑誌]

文藝春秋
2018年10月10日 発売

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