青森の事例が示す街づくりの難しさ

高度経済成長期やバブル期は地価の高騰によって東京・大阪といった大都市部のみならず、地方都市でも中心部の地価が上昇した。住宅地は土地代が安価な郊外に求めるしかなく、それが都市を無秩序・無計画に広がるといったスプロール化を促進した。

市民生活を維持することを使命とする行政にとって、都市のスプロール化は郊外までインフラを整備することになり、それは非効率かつ非経済的だった。そのため、行政には悩ましい問題となっていた。

人口が増加している時代だったら都市のスプロール化は受け入れざるをえないが、人口が減少している昨今において、都市のスプロール化は自治体財政を蝕む重荷にもなっていた。そこで、打開策として政府や地方自治体は都市機能を集約させるコンパクトシティを2000年前後より推進してきた。

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コンパクトシティを推進すれば、効率的に公共インフラを整備できる。しかし、郊外の住宅地に居住している住民を強制的に移住させるわけにはいかない。コンパクトシティは中長期にわたる計画として取り組まれていた。そのなかでも、青森県青森市は早い時期からコンパクトシティを打ち出していたことからモデル都市とされてきた。

そうした政府・行政の予想に反して、日本の人口は加速度的に減少した。予想以上の人口減少は、青森市が取り組んだコンパクトシティが目立った成果をもたらすことができなかった。都市計画・都市政策は中長期的な観点から評価する必要があるため、現段階で青森市のコンパクトシティを失敗と断じることは早計だが、青森市に限らず全国各地でもコンパクトシティの取り組みが思っていたより効果を上げられていない、進んでいないことは明らかだ。

広島も本気を出した路面電車の活用ブーム

宇都宮の新型路面電車の開業は宇都宮のコンパクトシティ化を進め、青森市に代わる新たなモデルを示したといえる。

現時点で、“次の宇都宮”を目指す動きは各地で見られるが、そうした動きの多くは実現段階とは言い難い。路面電車の新設はハードルが高く、それゆえに莫大な時間を要する。だから、次の宇都宮“が出てくるのは、早くても20〜30年かかるだろう。