原作とは95パーセント異なる

リム この映画には原作として短編小説が掲げられています。映画とは違う展開らしいのですが、さきほどのお話だとまずドキュメンタリーとしていろいろな人に取材して、最終的に劇映画の脚本になったということです。この原作とはどういう関係なんでしょうか。

リム・カーワイ監督©台湾映画上映会2026

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シェン 映画の原作としている小説は、実際にはあまり関係がないんです(笑)。先ほどお話ししたように、私がやりたかったのは、公開に至ることができなかったドキュメンタリーの題材なんですね。この題材をどう扱うか非常に悩んでいた時期に、ちょうどこの『深く静かな場所へ(深度安静)』という小説に出会いました。その小説に描かれているのは、静かな図書館で男女2人が出会う、そして結婚して、奥さんが亡くなる。残された夫が妻の過去を知ろうとする、そして妻の父との関係を考える、というストーリーです。私はこのストーリーに、ドキュメンタリーで追いかけてきた家庭の中での性暴力の問題を引き込むことにしました。なので、映画の95パーセントは、小説と異なっているわけです。小説の著者は当然、最初は驚かれましたが、いろいろとお話しし、自分が描いた小説をもとに様々な人間関係が描かれ、こうした問題を議論することができるようになる点は非常に嬉しいということで、最終的には喜んでくれました。

シェン・コシャン監督©台湾映画上映会2026