『因幡うどん』の進出
福岡市民がこよなく愛する老舗『因幡うどん』は、1951年に因幡町(現在の福岡市天神)で創業。福岡でも有数の歴史を持つ博多うどんの店だ。2016年に後継者不在の状況を受けて、ラーメン店『一風堂』などを展開する『力の源ホールディングス』グループが事業継承。2025年4月、東京・原宿の「東急プラザ原宿 ハラカド」に店舗を出店したが、福岡県外への出店はこれが初めてだった。
今回の東京進出に対して、味やメニューなど東京向けにローカライズすることなく、博多の味をそのまま東京に持ち込んだ。因幡うどんの特徴である「出汁」は、北海道産羅臼昆布と数種類の煮干しを使い、創業当時から変わらぬ力強い旨味を持つ奥行きのある深い味わいを守っている。
うどんは北海道産と福岡県産の小麦粉に、数種類の小麦粉をブレンドしたオリジナルの専用粉を使用し、福岡のうどんならではの太くてふっくらと柔らかな麺を提供。因幡うどんでは、ごぼう天は創業より丸いかき揚げスタイルで提供されているが、笹掻きスタイルのごぼう天も新たに用意。老舗として長年愛されてきた味はそのままに、時代に合わせたアップデートも忘れていない。
福岡うどんの未来
資さんうどんが福岡うどんの認知を広め、因幡うどんやウエストなどが都内に進出し、裾野が広がりつつある。さらに2025年には実業家の堀江貴文氏が、1977年創業の老舗うどん店『うちだ屋』を買収。DX化を進めながら全国や海外への進出を目指している。
日本人の国民食でもあるラーメンは、ご当地ラーメンに代表されるように地域によってまったく異なる味わいがある。うどんも同様に地域性のある料理なのだが、これまでその認知が広がっていなかった。福岡うどんが広がることで、うどんの多様性が知られるようになったのだ。
福岡うどんはこの先も全国、そして海外に広がりをみせていくことだろう。そして福岡うどんをきっかけに、日本全国各地の個性的なうどんにもスポットが当たる可能性が広がっている。福岡うどんによって、日本人のうどんに対する価値観がアップデートされつつあるのだ。



